中小企業の会計に関する指針
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 経過勘定等


 要 点
前払費用及び前受収益は、当期の損益計算に含めず、未払費用及び未収収益は当期の損益計算に含めなければならない。
前払費用、前受収益、未払費用及び未収収益等については、重要性の乏しいものは、経過勘定項目として処理しないことができる。


30.経過勘定の定義

(1)  前払費用
前払費用は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、いまだ提供されていない役務に対して支払われた対価をいい、前払利息、前払保険料、前払家賃、前払保証料等が該当する。
前払費用は、このような役務提供契約以外の契約等による前払金とは区別しなければならない。

(2)  前受収益
前受収益は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、いまだ提供していない役務に対して支払を受けた対価をいい、前受利息、前受家賃等が該当する。
前受収益は、このような役務提供契約以外の契約等による前受金とは区別しなければならない。

(3)  未払費用
未払費用は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、既に提供された役務に対していまだその対価の支払が終らないものをいい、未払利息、未払家賃、未払給料、未払社会保険料等が該当する。
未払費用は、このような役務提供契約以外の契約等による未払金とは区別しなければならない。

(4)  未収収益
未収収益とは、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、既に提供した役務に対しいまだその対価の支払を受けていないものをいい、未収利息、未収家賃等が該当する。
未収収益は、このような役務提供契約以外の契約等による未収金とは区別しなければならない。


31.経過勘定等に係る会計処理

(1) 原則的な処理
 費用については発生したものを損益計算書に計上し、収益については実現したものを損益計算書に計上しなければならず、当期の費用及び収益でない前払費用及び前受収益は当期の損益計算書から除去し、当期の費用又は収益とすべき未払費用及び未収収益は当期の損益計算書に計上するための経過勘定項目として貸借対照表に計上する。

(2) 簡便な処理
 前払費用、未収収益、未払費用及び前受収益のうち、重要性の乏しいものについては、経過勘定として処理しないことができる。また、本指針においては、前払費用のうち当期末においてまだ提供を受けていない役務に対応する前払費用の額で、支払日から1年以内に提供を受ける役務に対応する金額については、継続適用を条件に費用処理することができる。


32.経過勘定の貸借対照表上の表示

 経過勘定は、次のように貸借対照表に表示する。

  表示項目 表示箇所
前払費用 前払費用 流動資産
長期前払費用(事業年度の末日後1年を超えて費用となる部分) 投資その他の資産
前受収益 前受収益 流動負債
長期前受収益(事業年度の末日後1年を超えて収益となる部分) 固定負債
未払費用 未払費用 流動負債
未収収益 未収収益 流動資産


32−2.立替金・仮払金・仮受金等の取扱い

 立替金、仮払金、仮受金等の項目のうち、金額の重要なものについては、適当な項目を付して資産又は負債として計上し、また、当期の費用又は収益とすべき金額については、適正な項目に計上して費用又は収益として処理しなければならない。


【関連項目】
企業会計原則 第二・一、注解5


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