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「金融×ITにいち早く着目『フィンテック革命』の波に乗る」

(16/10/20)

 ファイナンスと(情報)テクノロジーを掛け合わせた造語「フィンテック」が、俄然、脚光を浴びている。この金融×ITにいち早く着目して、6年前に金融&IT業界向けポータルサイトを立ち上げたのがグッドウェイ(東京、藤野宙志社長)だ。同社ではポータルサイト運営やメディア活動のほか、セミナーやツアー事業、PR支援、リサーチ・コンサルティングと幅広く取り組んでおり、フィンテック産業の成長発展が、そのまま自社の躍進に直結するモデルを築いている。

 同社は大手システム販売会社からネット証券、ナスダック・ジャパン、金融システム開発会社と多彩なキャリアを積み重ねた藤野氏が2010年に設立した。藤野氏は主に技術畑のキャリアを積む過程で、ITと金融に関する専門的知識・技能を身に着けた。また、米国暮らしも体験し、それらの知識、経験から「米国と比べて日本は、金融とITの重なる分野のメディアやイベントが希薄で、事業化のチャンスは十分あるはずだ」と判断し、起業に踏み切る。「リーマンショックに遭遇したのも動機の一つ」と振り返る。

 運営するポータルサイトでは、金融×ITに関する独自取材の記事コンテンツ、企業・官公庁のニュースリリース、イベント情報などを満載している。記事コンテンツは分量の制約のないウェブならではの写真の多用、詳細な記述が売り物で、注目を集めている。藤野社長以下、同社のメンバーは、一連の取材活動を通して大きな財産を築き上げた。「合計で1万人強。金融、IT、官公庁・メディア関係がそれぞれ3分の1ずつ」(藤野社長)という人脈がそれだ。

 同社では培った人脈を生かし、各方面のキーパーソンを講師やパネリストに迎えたセミナー、フォーラム、勉強会を頻繁に開催している。藤野社長自らが講師やモデレーターを務めるケースも少なくなく、そうした“場の設定”が更なる人脈づくりにつながっていく。一方で、フィンテック関連企業のPR活動や各種の調査・コンサル業務など、多様な事業展開により、経営基盤を確立している。

 「海外と日本のフィンテックベンチャーを仲立ちするゲートウェイのような施設を東京・兜町辺りにつくってみたい」「これまで誰もやっていない、ネット上のピッチ(プレゼン・コンテスト)、ハッカソン(ハッキングマラソン=開発合宿)、アイデアソン(アイデアマラソン=アイデアを競うイベント)といったものを実現させたい」…。藤野社長は、湧き出るアイデアの一端を披露する。“フィンテック革命”の怒涛の勢いは、本邦初も世界初も日常茶飯事に変えていくのかもしれない。

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