上場会社には6月1日よりコーポレートガバナンス・コードが適用されており、コードに対応したコーポレート・ガバナンス報告書を証券取引所に提出することが求められている。 もっとも、上場会社にはコード適用開始日の6月1日後に開始される定時株主総会から6か月間の猶予期間が認められており、3月決算の会社の場合、12月までコード対応済みのコーポレート・ガバナンス報告書の提出を猶予されている。8月末現在でコード対応済みのコーポレート・ガバナンス報告書を提出した会社は、東証上場会社約3,500社のうち111社に過ぎない。ほとんどの上場会社は様子見や対応準備中の状況だ。 そのような中、金融庁と東証は「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」を設置し、9月24日に第1回の会合を開催した。本会議は、コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コード(機関投資家に適用されるコード)の普及・定着状況をフォローアップするとともに、上場企業全体のコーポレートガバナンスの更なる充実に向けて、必要な施策を議論・提言することを目的としている。 第1回の会議では、コード対応済みのコーポレート・ガバナンス報告書の分析結果が資料として提出されている(こちらを参照)。この資料によると、8月末までにコード対応したコーポレート・ガバナンス報告書を公表した111社のうち、本則市場(市場第一部・第二部)に上場している企業が68社あり、そのうちすべての原則をコンプライ(実施)できている会社は60%(41社)に過ぎないことが分かった。逆に言えば、40%の会社は一部の原則をエクスプレイン(実施せずに説明)していることになる。エクスプレインをすることで「目立ってしまうのではないか」との心配は不要と言える。 中でも、コンプライ率が低い原則上位3つは次のとおり。
ちなみに、本会議資料の4ページ目の黄色く塗られた原則は、8月末時点でコンプライ率が100%のものである。これらは本則市場の上場会社なら“できて当然”の項目と言える。上場準備会社としては、自社が上場を目指す市場が「73の原則すべての適用がある本則市場」でなく、「5つの基本原則しか適用されない新興企業向け市場」であっても、コンプライ率100%の原則についてコンプライできるよう体制整備を進め、ガバナンス力を強化し、上場後の本則市場への市場変更に備えたいところだ。 (情報提供:日本IPO実務検定協会)
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