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厚労省が来月から過重労働解消キャンペーンを開始
(14/10/28)

 厚生労働省は、11月1日から30日まで、「過重労働解消キャンペーン」を実施する。これは、今年6月に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2014−未来への挑戦−」に「働き過ぎ防止の取組強化」が盛り込まれ、また、同じく6月に「過労死等防止対策推進法」が成立するなど、長時間労働対策の強化が喫緊の課題となっていることを受けての取組みだ。

 具体的には、まず、キャンペーンの実施に先立ち、労使の主体的な取組みを促すため、使用者団体や労働組合に対し協力要請を行うこととしている。既に日本経団連には、厚生労働大臣から、政府が「著しい過重労働や賃金不払残業などを行う企業の撲滅に向けた監督指導」と「休暇の取得促進をはじめとした“働き方の見直し”に向けた企業への働きかけ」に取り組んでいくことへの理解と傘下企業への周知啓発を求める『要請書』が届けられている。

 実際、キャンペーン期間中には、いわゆる「ブラック企業」への重点的な監督指導が実施されることとなっている。厚労省によれば、この重点監督の対象となるのは、労働基準監督署やハローワークに寄せられた相談等を端緒に「若者の使い捨て」が疑われる企業や過労死による労災請求が行われた事業場であり、重大または悪質な法違反がある場合は送検・公表し、是正されるまではハローワークにおける職業紹介の対象としないこととしている。

 また、キャンペーン初日の11月1日(土)には、「過重労働解消相談ダイヤル」が設置される。これは、労働者からの電話相談(無料)に都道府県労働局の担当官が応じるもので、昨年9月に実施した電話相談と同じスタイルだ。ちなみに、昨年の電話相談には、1日だけで1000件を超える相談が寄せられたと報じられている。

 なお、このキャンペーンの一環として、「過重労働解消のためのセミナー」が全国8か所で実施される。興味のある経営者・労務担当者は受講しておくと参考になるだろう。

(社会保険労務士 神田 一樹)


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