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経営の教科書
(2016.07.21)

第61回 個人の限界を超える会議(会議終了後)

 これまで、生産的な会議(個人の限界を超え、具体的行動に結びつける為の会議)を実現するための『事前準備』『当日の運営』について整理してきましたが、今回は会議終了後についてお伝えします。ポイントはたった一つ『議事録(ミーティングレポート以下MR)』の作成と配布です。

 MRは即日作成の上、終了時点で参加者に配布(配信)することをお薦めします。さすがに終了時点は難しいのでは?と一瞬でも思った方、実践してみればわかりますがさほど難しいことではありません。会議の終了時点にプレゼンターがミーティングの内容を整理し全員に確認を行います。それを文字化すればいいのです。

 議事内容を長々と記載する必要はありません。目的は(1)「決定事項」「積み残し事項」が漏れ無く記載されてれおり、(2)その根拠を端的に記録し、参加者の記憶を後日呼び覚ますことです。MRに整理するべき必須項目を初めから決めておき、自社オリジナルのMR雛形を作成しておけば更に効率的です。

 一般的にMRに記載すべき必須項目は次の通りです。(1)開催日時、(2)参加者、(3)会場、(4)決定事項、(5)決定に至った背景、(6)積み残し事項、(7)積み残し事項の今後の対応。(4)の決定事項は単に静的な決定事項だけでなく、「誰が」「何時までに」「何をするのか」というアクションプランの要素を含む動的決定事項も含みます。

 また(5)の決定に至った背景には、「◯◯さんの◯◯という発言によって決定した」といった固有名詞を記載しておくと後日記憶を呼び覚ますという意味で効果的です。場合によっては「◯◯さんと、◯◯さんの意見が割れたが…」「◯◯さんは、◯◯の理由から一貫して反対した」といった印象深い場面も残しておきたいところです。

 会議終了後すぐに全員に配布し、その内容で問題ないか、問題があれば当日中に申し出ることとします。航海を続ける企業が舵取りをするために会議はとても重要です。これまでに紹介した生産的会議の手法を上手に活用し、是非会議のスキルを高めつつ、個人の限界を超えるための会議を実践して下さい!