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第55回 スタッフの成長を確認する為の物差し『コンピテンシー』について



 人の評価には技術やノウハウといった保有能力や、業績に連動する「定量的視点」と、その定量的視点からの評価を支えている「定性的視点」があります。成果主義に代表される定量的視点のみで評価することには問題が有ることは前回お伝えした通りです。

 では、定性的視点による評価とはどのようなものでしょうか?その代表例として、今回「コンピテンシー」についてご紹介します。

 コンピテンシーは、1970年代にハーバード大学のD.C.マクレランド教授らが、政府からの依頼で「高業績者の行動範例」として明らかにしたものです。教授らが継続的に高い業績を上げ続けている人を分析し、共通する行動特性を体系的に整理したその内容は、企業の採用・教育・評価に活用することができます。

 行動特性についてもう少し具体的にご紹介すると、例えば「あなたは予想外の出来事に直面しても、慌てず対応ができますか?」という質問への回答は「はい」又は「いいえ」となります。一方で「あなたは過去、予想外の出来事に直面した際、どの様に対応しましたか?具体的事例を挙げてお話して下さい」と尋ねられたらどうでしょう?

 後者の質問で得られた回答によって、その人が将来同様の場面に出逢った時にどのような行動を取るのかを知ることができます。もう少し突っ込むと、取った行動の理由を整理していけば、その人の価値観に迫ることが出来ます。行動は価値観によって選択されるからです。コンピテンシー評価の狙いはそこにあります。

 詳細は割愛しますが、コンピテンシーには18〜25程度の項目があり、業種ごとに必要とされるコンピテンシー項目は異なります。項目毎に5〜6段階のレベルに行動をランク付けしており、自分が日常どのような行動をとっているのかと照らし合わせ、現状の自分のレベルと、次のステップにいくための課題を明らかに出来るのです。

 因みに弊社でも、コンピテンシー評価を採用しており、評価は自己評価を含む360度サーベイによって実施しております。

 さて、御社は定性評価をどのように行っていますか?もし行っていなければ、是非コンピテンシー評価を実施してみてください!詳細を知りたい方は当社まで是非お気軽にお問い合わせ下さい。