第49回 新入社員のキャリア形成のプロセスが明確になっているか?
(実行力 その6) 会社(船)の船長である社長に「新入社員のキャリアップ制度」についてお尋ねします。以下の選択肢から御社の現状に最も近い状態を選択してください。 小・中学校に学年毎の教科書があるように、新しく入った社員に仕事の教科書(求められるスキルや経験をいつまでに、どのように、どの程度身に付ければ良いのかを明確にしており、一般的に「格付け基準書」といわれるもの)が用意されていますか?
例えば、小学校の算数の教科書を思い出してください。先ず足し算、引き算を理解し、その後掛け算、割り算という順序で四則計算を身につけます。四則計算を理解したら、面積計算や方程式・連立方程式と、四則計算を活用した高度な問題が解けるようになりますいきなり小学一年生に方程式を教えないのは「当然」ですよね。 同じように、仕事にも教科書が必要です。教科書がなければ、新しく会社に入った社員が、何を、何時までに、どのように身につけていけばよいのかが見えません。結果的に、OJTで先輩社員から仕事を学ぶことになりますが、それでは先輩社員の限界が新入社員の限界になってしまうのです。 次に、仕事の教科書(格付け基準書)があっても、実際に運用されていなければ全く意味をなしません。教育を実行する「責任と権限」を明確にし、教育計画として落としこみ、実行する必要があります。 最後に、仕事の教科書があって、教育計画にも落とし込み実行しているが、成果に繋がっていないとすれば、主に次の2つの要因が考えられます。(1)教育しっぱなしで、学校のテストのようなチェック機能がないか、(2)仕事の教科書が古くなっている場合です。仕事の教科書は、社会の状況や、会社の方針によって常につくりかえていく必要があります。 さて、御社の現状のLevelはどの段階でしょうか?明日から一つ上のレベルを目指した取り組みをスタートさせましょう!未来を予見する最も良い方法は、その未来を自らが創りだすことです。部下の成長を支えることがリーダーであるあなたの大切な仕事なのだから。 |