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第45回 具体的成果を確信できる計画書があるか?(実行力 その3)


 会社(船)の船長である社長に「計画書(目標地点と現在地を繋ぐ地図)」についてお尋ねします。以下の選択肢から御社の現状に最も近い状態を選択してください。

Question 会社が掲げる目標を達成するための具体的行動が計画書として落とし込まれていますか?更に、その行動の結果として想定される成果が数値化され、全社員に周知されたうえで社員相互の共有がなされていますか?

 Level1)  計画書そのものが存在しない。

 Level2)  計画書はあるが、数値計画書のみで社員の行動計画はない。

 Level3)  数値計画書も行動計画書もあるが、社員相互で共有されていない。

 Level4)  計画書が社員一人ひとりに落とし込まれ、社員が日々使命感をもち相互に連携をとって仕事に取り組んでいる。

 「計画書があれば成果が出る」ということはありませんが、「計画書があれば成果が出しやすくなる」ことは間違いないでしょう。何故なら、計画書は目標を達成するための地図だからです。目標地点と現在地がわかるのなら、地図があったほうが目的地に到達しやすくなるのは必定です。

 そういう意味で、我社の目的(到達地点)が不明であるのに計画書があっても全く成果に繋がらないし、現実から見えてくる問題(現在地)が不明では、具体的道筋は見えません。今何処にいるのか?進捗はどうか?航路変更は必要か?等が全くわからないのです。

 また、単に数値のみの計画書は充分ではありません。なぜなら、数値は行動の結果実現するものですから、計画すべきは行動です。仮に、数値計画のみで計画が達成されたとしても、一時的な成果や、個人的成果となって組織としての成長には繋がりません。行動計画の伴わない数値計画書では、結果が出なかった場合改めるポイントが不明なのです。

 更に、計画書が社員一人ひとりの計画書に落とし込めていなければ「誰かがやるだろう」という無責任な状況をうみます。計画書のもつ最も大切な価値はここにあるのです。計画書を社員一人ひとりが思考することは、会社全体と自分の関係性、社員相互の関係性、そして自分自身の役割と使命を自覚的に確信する第一歩となります。計画書は決してトップがつくるものではないのです。これこそが計画書が必要な理由といえます。

 さて、御社の現状のLevelはどの段階でしょうか?明日から一つ上のレベルを目指した取り組みをスタートさせましょう!その決意をし、社員の成長を実現することがリーダーであるあなたの大切な仕事なのだから。