税務調査の法的知識
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第57回 事前通知後の加算税
(16/04/06)

 税務調査における事前通知があった後における加算税の取り扱いについて、平成28年度税制改正によって、改正が行われることになります。この点について、「改正前」の取り扱いを解説しましょう。

事前通知があった
→ 申告内容を見直した
→ 調査初日までに提出した修正申告は自主修正として過少申告加算税は課されない

とされています。この根拠となるのは、国税通則法第65条第5項に定める、いわゆる「更正の予知」に該当しない、とするもので、加えて事務運営指針にも明記されています。

 詳細は、「過少申告加算税の法的要件」および「過少申告加算税の通達規定」をご覧ください。

 税務調査前に修正申告を提出した場合に、加算税が課されるかどうかの時期基準は下記に記載があります。

 「法人税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて(事務運営指針)」の「第1過少申告加算税の取扱い」の「2 注書き」に

「臨場のための日時の連絡を行った段階で修正申告書が提出された場合には、原則として「更正があるべきことを予知してされたもの」に該当しない。」

とされており、事前通知があった後であっても、税務調査の初日までに修正申告を提出した場合は、加算税が課されないこととなっています。

 なお、この(改正前の)規定は、平成28年12月31日以前に法定申告期限が到来する国税又は同日以後に申告書の提出期限が到来する地方税について適用となります。