税務調査の法的知識
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第27回 理由附記の拡大
(15/01/07)

 国税通則法の改正(平成23年度税制改正、平成25年1月1日以降に施行)により、理由附記の制度が大きく拡大されました。

 改正以前は、青色申告者に対する更正(処分)だけに理由附記が求められていました(法人税法第130条、所得税法155条)。この制度で問題になっていたのは、消費税や相続税など、そもそも青色申告制度がない申告に対する更正には、理由附記がなされていなかったことです。

 そこで、下記条文が改正になったのです(改正前は、国税通則法第74条の2)。

国税通則法第74条の14(行政手続法の適用除外)
行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三条第一項(適用除外)に定めるもののほか、国税に関する法律に基づき行われる処分その他公権力の行使に当たる行為(酒税法第二章(酒類の製造免許及び酒類の販売業免許等)の規定に基づくものを除く。)については、行政手続法第二章(申請に対する処分)(第八条(理由の提示)を除く。)及び第三章(不利益処分)(第十四条(不利益処分の理由の提示)を除く。)の規定は、適用しない。

 カッコ書きが多く非常に読みにくい規定ですが改正後は、「行政手続法第8条と14条が適用になりました(適用除外が除外された、というのが正しい表現です)。

 これにより、税目もしくは青色申告か否かにかかわらず、更正処分を受ける場合は、更正の通知書に、その理由が附記されることとなったのです。