税務調査の法的知識
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第22回 再調査の規定
(14/10/16)

 平成23年における税務調査手続きの改正(平成25年1月1日以降に行われる税務調査において適用)で、新たに規定されたものの1つに「再調査(調査再開)」があります。

 これは、すでに税務調査を実施した年・事業年度を、再度税務調査を実施する場合に、要件・制限を設けることとしたものです。


国税通則法第74条の11第6項
6 第1項の通知をした後又は第2項の調査の結果につき納税義務者から修正申告書若しくは期限後申告書の提出若しくは源泉徴収による所得税の納付があつた後若しくは更正決定等をした後においても、当該職員は、新たに得られた情報に照らし非違があると認めるときは、第74条の2から第74条の6まで(当該職員の質問検査権)の規定に基づき、当該通知を受け、又は修正申告書若しくは期限後申告書の提出若しくは源泉徴収による所得税の納付をし、若しくは更正決定等を受けた納税義務者に対し、質問検査等を行うことができる。

 この規定によれば、一度税務調査が終了すると、「新たに得られた情報に照らし非違があると認めるとき」以外は、再調査することができないことを定めています。

 この要件は、法律上では、これ以上の詳細な規定を定めていませんが、事務運営指針において、「再調査の判定」を下記のように定めています。

調査手続の実施に当たっての基本的な考え方等について(事務運営指針)


第2章 4 調査終了の際の手続
(6) 再調査の判定
 更正決定等をすべきと認められない旨の通知をした後又は調査の結果につき納税義務者から修正申告書等の提出若しくは源泉徴収に係る所得税の納付があった後若しくは更正決定等をした後に、当該調査の対象となった税目、課税期間について質問検査等を行う場合には、新たに得られた情報に照らして非違があると認める場合に該当するか否かについて、法令及び手続通達に基づき、個々の事案の事実関係に即してその適法性を適切に判断する(手続通達5−7、5−8、5−9)。

 具体的な要件については、通達に定められていますので、そちらをご覧ください。

国税通則法第7章の2(国税の調査)関係通達の制定について(法令解釈通達)

 再調査には要件があることを知っておかなければなりません。