HOME 保険マスター講座 RETURN
   
 
社会保険料コストセーブ<役員編>
 第7回 「貯金と思って養老保険」で保険料削減!

■そもそも養老保険ってどんな保険?
 
 養老保険とは、一定額の死亡保障がありながら、満期には掛け金とほぼ同額の満期保険金が戻ってくる貯蓄性のある生命保険です。通常の法人契約では従業員の退職金目的に契約するなどが一般的な利用方法です。実は、この保険を上手に活用して社会保険料の負担を抑える手法があるのです。


■契約形態と活用の仕組み

 具体例として役員報酬月額60万円の奥様(専務取締役)を想定してみます。まず、通常振り込む役員報酬を60万円から40万円に引き下げます。一方で、引き下げた差額の20万円を養老保険の保険料に充当します。契約形態は〔契約者…法人/被保険者…奥様/満期保険金受取人…奥様/死亡保険金受取人…奥様の遺族〕とします。この契約形態の場合、保険料は税務的に役員報酬扱いとされるため、税務的には何らのメリットもありません。

 ところが、社会保険料の算定基礎となる標準報酬月額を計算する上で、養老保険の保険料は算定基礎に含まれません。結果として標準報酬月額が引き下がるため、年間で約25万円(労使合計50万円)の保険料の削減が可能となるわけです。特に、年齢が60歳以上であれば場合によっては停止されている特別支給の老齢厚生年金も一部支給される可能性もあるため、より手取り増加効果が大きくなります。


■被保険者は同族役員に限定すべき?

 さて、この対策は従業員を対象とせず、同族の役員に限定して検討します。なぜなら、(1)従業員の場合には会社負担分の保険料の減少分のみを会社のメリットと考えますが、同族役員の場合には会社と個人合算での保険料削減効果をメリットと捉えることが可能だからです。(2)またリスクとして、万一この養老保険を解約した場合、解約返戻金全額が会社に戻ってきてしまうことも問題です(しかもその解約返戻金は全額雑収入)。個人的に課税を受けた保険の解約返戻金が受け取れないのでは、従業員とのトラブルに発展する恐れがありお勧めできません。役員を被保険者とする場合であっても、下記の実施にあたっての注意点に留意しながら検討することが重要です。


【キーワード】役員退職金の算出方法
[養老保険の契約形態]
契約者 被保険者 満期保険金受取人 死亡保険金受取人
法人 役員 役員 役員の遺族
[法律ポイント]
団体養老保険の保険料を事業主が負担している場合、その保険契約によって受ける利益が社員に及ぶものであっても、事業主が保険契約の当事者となっている場合には、事業主が負担する保険料は報酬に含まれないものとする。(昭和38年6月28日庁保険発第3号)

   
貯蓄性のある養老保険を併用すると!
養老保険とは、一定額の死亡保障がありながら、満期には掛け金とほぼ同額の満期保険金が戻ってくる貯蓄性のある生命保険です。

CHECK POINT
〔注  意  点〕 養老保険の中途解約による返戻金は契約者である事業主に入る。
実際に行う際は、管轄の社会保険事務所へ確認をする。
賃金台帳の記載方法に注意する。
税務上、過大役員報酬とならないように注意する。