会計事務所経営戦略レポート

2012年時流予測と会計事務所の経営戦略

変革の2012年を迎えるにあたって・・・

 皆様、こんにちは。株式会社船井総合研究所の竹内実門です。

 本レポートにアクセスしていただき、誠に有難うございます。

 日本においては、三月の震災に始まり総理大臣の交代、円高の進行・・・。世界に目を向けると、ヨーロッパの金融危機、エジプトやシリアなどでの独裁政権の終焉、中国での鉄道事故およびその隠蔽工作・・・。

 本当にいろいろなことがあった2011年もまもなく終わります。

 会計事務所・税理士事務所業界においても、気鋭の若手税理士さんが仕掛けた「低価格顧問料モデル」の浸透に始まり、「記帳代行フランチャイズシステム」の登場、大手税理士法人によるM&Aの推進・・・などのトピックに加え、「廃業による顧問先の減少」や「顧問先の業績悪化に伴う顧問料の減額」など、厳しい経営環境が一層進んでしまった・・・というのが、この一年間の印象です。

 ここで、日本経済や会計事務所・税理士事務所業界の底で、これから上向きになる! ということでしたら、皆様も気分も晴れやかに2012年を迎えることができるのでしょうが、現実はさらに状況の改善の見込みは薄いというのが、私の見解です。というよりも、2012年も、今年以上に厳しく、激動の一年になりそうな気配です。しかもそれは2014年夏頃まで続く・・・。

 さて、このような状況下で皆様の事務所経営を安定させるために必要なことをお伝えしていこうと思います。この一年間、個別のご支援や勉強会・経営研究会などを通じて、毎月平均50〜100人の会計事務所のトップと定期的にお会いし、その答えを探してまいりました。

 そこで見えてきた飛躍的に伸びている事務所のトップの共通点は、以下の三点です。

・時流に適応したビジネスモデルを有していること
・トップの強烈なリーダーシップがあること
・現場に対する徹底力が浸透していること


 もう少し掘り下げて、個々の共通点を見ていきましょう。

 最初に「トップの強烈なリーダーシップ」と「現場に対する徹底力」についてお話します。

 先ほども記したように、今は「激動期」です。あらゆる想定外の出来事が起こり、明日は何をしなくてはいけないか?ということを常に考えなくてはいけません。日本でも有数の企業が厳しい状況に置かれています。ましてや、皆様のお客様の中心である中小企業・零細企業は知ってしかるべし・・・です。つまり「大転換」です。大きな時代の転換点に来ています。

 このようなときに、求められるトップのあり方は、「トップダウン型のリーダーシップ」です。

 もちろん、幹部を育てなくてはいけない・・・現場からボトムアップで経営をしていきたい・・・いろいろな想いはあるでしょう。しかし、このような時期(時代)に求められるのは、「トップの強烈なリーダーシップ」なのです。つまり、事務所のことを真剣に考え、命懸けで経営にあたっている「トップ」が、先頭にたって組織をリードしていかなくては、この難局を乗り切ることはできないのです。

 先ほど少し触れた、「飛躍的に業績を上げている事務所」のトップは、100%このスタイルです。トップが自ら意思決定し、方針を立て、現場に対して徹底的に対話を行い、そして実行していく・・・。このスタイルを貫いている会計事務所が業績を伸ばしているのです。

 さらに、その実行のやり方・・・・

 対極的なことも細かいことも、徹底していきます。失敗をすることは恐れません。攻めの姿勢は崩しません。つまり、現場に対しても、積極的に行動した結果、成果につながらなくても、それに対してどうこう言うことはありません。ただ、「行動を起こさない」ことについては、厳しい態度でのぞみます。事務所を変えようとしているときに、「過去の成功体験」や「慣例」に囚われていては、前に進むことはできません。

 トップの方針を徹底的に現場に伝え、事務所が一体となって前に進もうとしているのです。時には組織が痛手を受けることもあります。それでも前に進もうとするのです。このような、「リーダーシップ」と「徹底力」を併せ持った組織であることが、「業績を伸ばす」ための条件となっています。

 そんな精神論なら聞き飽きた・・・

 そのように思われても仕方ありませんが、事実なのです。もちろん、精神論だけで業績が上がるのであれば、ある意味楽な話ですが・・・。

 そこで、業績を伸ばすための絶対的条件・・・「時流に適応したビジネスモデル」についてお話しようと思います。

 不況期に起こる現象の代表的なものとして、新しいビジネスモデルや商品の登場があります。そのときにできた新しいもモノが、次の好景気に認知され、その次の不景気には「ディスカウンター」となって広く認知されていきます。

 そういう意味では、今回の不景気においては、「前回の不景気に出現した商品やサービス」がディスカウンターとして認知されるものと、今までなかった商品やサービスが「新たに出現する」かのどちらかに取組むことしか、業績を伸ばすことはできません。


興味をもたれた方は 0120−950−270


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