コンサルティング情報 〜戦略コンサルティングレポート

第22回 事業戦略の立案・展開

 今回は、笠井 清志が担当させていただきます。

 日頃、コンサルティング先として大手小売業を中心にご支援をさせていただいております。ご支援の内容は経営戦略よりも、事業戦略の立案・展開等が中心となります。

 流通業にてご支援をしておりますと、現場の皆様方からは「現場支援」に対する強いニーズを感じることが多々あります。「明日の売上を上げるには?」「来週の売上を上げるには?」という短期的な最適化、部署最適化を求められるケースです。

 コンサルタントとして、その業務のプロとして求められる現場ニーズには結果でお応えしておりますが、ただこれだけでは真の業績回復には結びつかないものです。ある個店、エリアの成功事例を水平展開し、どの店でも実現できる形に昇華することが我々コンサルタントの真の業務となります。

 成功事例の水平展開と共に必要となってくるのが事業戦略の立案です。特に、中期的なスパンでの営業販売戦略の立案です。営業部門だけでなく企画部門や他部署の英知を集めた現場活性化プランの立案となります。

 ご支援をしている企業様では、現場活性化レベルから経営戦略立案レベルまで業務として行っておりますが、企業発展の肝となる戦略は事業戦略にあるという考えが日々強くなっております。

 今後5年間の中期経営計画立案も行いましたが、考え方の整理と数値の裏づけが業務の中心であり、これを実際に実現できるかどうか? が事業戦略になります。この事業戦略立案・展開に注力できるかどうかが本当の企業の強さだと感じております。

 経営戦略が実現できない。現場が動かない。これらの悩みの原因は、事業戦略を立案し推進する、現場のリーダーが不在のためというケースが多々見受けられます。誰よりも現場を愛し、現場を改善する力を有しつつ、事業戦略、経営戦略を立案できるリーダーが企業には必要です。役職のイメージですと「取締役」でしょうか?

 経済変化のスピードが益々早くなり、経営判断のスピードアップが求められます。このような時代こそ、真のリーダーが必要だと思います。

 具体的なリーダー像としましては、

 ・ 現場の人間とは気軽に酒席を共にでき、常に現場の人間の考え方を共有しつつ、モチベーションアップができること。

 ・数値管理に関しては、冷徹な判断ができること。

 ・常に前向きに考え部下を統率できること。

 ・現場の人間には寛容だが、ミドル層に関しては厳格な評価ができること。

等でしょうか。

 現場感覚が鋭く、数値管理能力が優れているのがリーダーのイメージです。