コンサルティング情報 | |||||||||||
今回は私、桜井淳が担当させていただきます。 現場に近いコンサルティング情報や、いくつかの業種に特化した情報をお届けするこの「現場コンサルタントの生の声」ですが、今回は、私が中心にお手伝いさせていただいている「社会保険労務士事務所」についての情報をお届けします。 社労士事務所の先生のところにコンサルティング支援にお邪魔していると、企業から電話がかかってくることがよくあるのですが、だいたい以下のようなやり取りをされているのを横で聞くことになります。 ■顧客 「そちらに評価制度の見直しをお願いすると、どれくらいかかるんですか?」 ■○○事務所 「はい。そうですねぇ、だいたい△△万円ですね・・・・。」 ■顧客 「そうですか・・・、結構するんですね・・・・。」 ■○○事務所 「いや、費用についてはお話をお聞かせいただいたうえで・・・・・。」 はい、「売れない社労士事務所」の典型例です。なぜでしょうか? まず考えるべきことは、「この顧客が望んでいるのは、本当は何なのか?」ということです。上記顧客がこちらに質問するまで、頭の中でどのようなことを考えたのか、例をあげてみましょう。
多くの場合において顧客は最初の段階では、自分の課題や悩みといった本音の部分を言葉として表現しません。この例では、顧客が本当に望んでいるのは、「評価制度の見直しの費用を教えてもらうこと」ではないわけです。 この後、話が進んで、実際に商談にまでこぎつけたとしても、顧客が「評価制度の見直し」を言葉にしているからといって、この顧客に対して「評価制度の見直し」を当然のように提案すると、多くの場合は提案がピント外れで受注に至らないか、値引要求に合います。なぜなら、「顧客が本当に望んでいることを踏まえた(満たす)提案」になっていないからです。 では、顧客が質問してきた時、我々は顧客の考えていることを瞬時に想像し、対応しなければならないのでしょうか? 想像がつくケースも中にはありますが、ほとんどの場合、そんなことは超能力者でもない限り不可能です。では、どうすれば良いのでしょうか? 想像してわからないのですから、顧客に聞けば良いのです。そうヒアリングです。それも、遠回し、遠回しに時間を掛けてヒアリングしながら核心部分に近づいていく(これは意外と難しいですよね?)のではなく、「本当に望んでいること」に直接切り込む質問を顧客に投げ掛けるのです。 「今回は○○なのですが、何かお悩みのことでもあるんですか?」 例えば、上記やり取りは次のようになります。 ■顧客 「そちらに評価制度の見直しをお願いすると、どれくらいかかるんですか?」 ■○○事務所 「はい。評価制度の見直しの費用についてお問合せいただいてるわけですが、何かお悩みのことでもあるのですか?」 顧客は多くの場合、事務所が提供するコンサルティングサービスを必要としているわけではなく、自分の課題・悩みを解決してくれる「手段」を手に入れようとしているに過ぎません。 よって、コンサルティング案件を取るのに必要な、的を射た提案をするためには、顧客の課題・悩みといった顧客の思考の核心部分を把握したうえで、事務所が提供するコンサルティングサービスが、顧客の抱える課題や悩みをどのように解決できるかを提示できなければ話になりません。 これは、一般企業の営業マン(特にB2B)も同じです。社労士の方々を含め、なかなか成果のあがらない営業活動というのは、多くの場合、顧客の話をほとんどヒアリングできていませんし、もちろん核心にも触れられずにいます。 まずは、「今回○○なわけなんですが、何かお悩みのことでもあるんですか?」の質問を顧客に投げ掛け、そこから顧客の話を聴いていく(顧客にヒアリングする)クセをつけられることをオススメ致します。 |