目次 III-4


4 その他の土地・住宅税制関連の改正

【1】都市再生特別措置法の改正関係

 都市再生特別措置法の改正を前提に、次の措置が講じられます。

(1)  優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用対象となる「特定の民間再開発事業及び既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え等の場合の譲渡所得の課税の特例等の適用対象となる特定民間再開発事業の施行区域」の範囲に、都市再生特別措置法の認定区域整備事業計画(仮称)の区域が加えられます。

(2)  都市再生特別措置法の改正により業務が拡大される都市再生推進法人(仮称)(現行:都市再生整備推進法人)について、次のとおりとされます。

都市開発事業等の用に供される土地の供給等の業務を行う一定の都市再生推進法人に対する当該業務を行うために直接必要な土地等を譲渡した場合にも、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例が適用されます。
一定の都市再生推進法人が行う都市再生整備計画又は立地適正化計画(仮称)に記載された公共施設の整備に関する事業の用に供するために土地等が買い取られる場合にも、特定の民間住宅地造成事業のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除が適用されます。


【2】マンションの建替えの円滑化等に関する法律の改正関係

 マンションの建替えの円滑化等に関する法律の改正を前提に、次の措置が講じられます。

(1) 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用対象に、改正後のマンションの建替え等の円滑化に関する法律(仮称)に規定するマンション敷地売却(仮称)に伴う売渡し請求又は分配金取得(仮称)に基づくそのマンション敷地売却を施行する者に対する土地等の譲渡で一定の要件を満たすものが加えられます。
(2) 特定の民間住宅地造成事業のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除の適用対象に、建築物の耐震改修の促進に関する法律に規定する通行障害既存耐震不適格建築物に該当するマンションの敷地の用に供されている土地等が、マンションの建替え等の円滑化に関する法律に規定するマンション敷地売却に伴う売渡し請求又は分配金取得によりそのマンション敷地売却を施行する者に一定の要件の下で買い取られる場合が加えられます。
(3) マンションの建替え等の円滑化に関する法律に規定するマンション敷地売却に伴い、マンションの借家権を有する者が同法の規定により資産の移転等に係る補償金の交付を受けた場合において、その交付の目的に従って資産の移転等の費用に充てたときは、一定の要件の下で、その費用に充てた金額は、各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入しないこととされます。


【3】特定事業用資産の買換え特例の見直し・延長

 特定事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例(法人は「特定資産の買換えの場合等の課税の特例」)について、一定の適用範囲の見直しを行った上で、適用期限が平成29年12月31日まで(法人は平成29年3月31日まで)3年延長することとされます。

 なお、この買換え特例のうち、いわゆる9号買換え(長期所有の土地、建物等から国内にある土地、建物、機械装置等への買換え)については、上記とは別の適用期限(平成26年12月31日)です。つまり、今回は、9号買換え以外の買換え特例について、延長が行われます。


【4】延長等

(1) 所得税 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(長期譲渡所得のうち2,000万円以下の部分について税率軽減)について、【2】の(1)などの措置が講じられた上、その適用期限が平成28年12月31日まで3年延長されます。
(2) 所得税 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等の適用期限が平成27年12月31日まで2年延長されます。
(3) 所得税 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等の適用期限が平成27年12月31日まで2年延長されます。
(4) 所得税・法人税 土地譲渡益に対して特別税率が課される法人重課制度及び個人の不動産業者等が所有期間5年以下の土地等を譲渡した場合の事業所得等に係る重課制度について、適用停止措置の期限が平成29年3月31日まで延長されます。
(5) 登録免許税 特定認定長期優良住宅の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置(特例税率0.1%〔所有権移転登記・戸建て0.2%〕)の適用期限が平成28年3月31日まで2年延長されます。
(6) 登録免許税 認定低炭素住宅の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置(特例税率0.1%)の適用期限が平成28年3月31日まで2年延長されます。
(7) 固定資産税 新築住宅に係る固定資産税の税額の減額措置の適用期限が平成28年3月31日まで2年延長されます。
(8) 固定資産税 新築の認定長期優良住宅に係る固定資産税の税額の減額措置の適用期限が平成28年3月31日まで2年延長されます。
(9) 不動産取得税 新築住宅特例適用住宅用土地に係る不動産取得税の減額措置(床面積の2倍(200平方メートルを限度)相当額の減額)について、土地取得後の住宅新築までの経過年数要件を緩和する特例措置の適用期限が平成28年3月31日まで2年延長されます。
(10) 不動産取得税 新築の認定長期優良住宅に係る不動産取得税の課税標準の特例措置(課税標準=固定資産税評価額−1,300万円)の適用期限が平成28年3月31日まで2年延長されます。

 

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