目次 III-3


3 贈与税の税率構造及び相続時精算課税制度の見直し等

 贈与税の最高税率を相続税に合わせる一方で、高齢者の保有する資産を現役世代により早期に移転させ、その有効活用を通じて「成長と富の創出の好循環」につなげるため、子や孫等が受贈者となる場合の贈与税の税率構造を緩和する等の見直しが行われます。また、相続時精算課税制度について、贈与者の年齢要件が65歳以上から60歳以上に引き下げられ、受贈者に孫を加える拡充が行われます。

【1】贈与税の税率構造の見直し

 暦年課税の贈与税の税率構造について、次の見直しが行われます。

(1)  20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産に係る贈与税の税率構造

現行 改正案
基礎控除後の課税価格 税率 基礎控除後の課税価格 税率
200万円以下 10% 同左
300万円以下 15% 400万円以下 15%
400万円以下 20% 600万円以下 20%
600万円以下 30% 1,000万円以下 30%
  1,000万円以下 40%   1,500万円以下 40%
3,000万円以下 45%
  1,000万円超 50% 4,500万円以下 50%
  4,500万円超 55%

(2) 上記(1)以外の贈与財産に係る贈与税の税率構造(一般)

現行 改正案
基礎控除後の課税価格 税率 基礎控除後の課税価格 税率
200万円以下 10% 同左
300万円以下 15%
400万円以下 20%
600万円以下 30%
  1,000万円以下 40%
  1,500万円以下 45%
  1,000万円超 50% 3,000万円以下 50%
  3,000万円超 55%


【2】相続時精算課税制度の適用要件の見直し

(1)  受贈者の範囲に、20歳以上である(現行:20歳以上である推定相続人のみ)が追加されます。

(2)  贈与者の年齢要件が60歳以上(現行:65歳以上)に引き下げられます。


適用期日 【1】【2】の改正は、平成27年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る贈与税について適用されます。


参考  暦年課税と相続時精算課税の比較

 贈与税の課税制度には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、一定の要件に該当する場合には、相続時精算課税を選択することができます。

暦年課税と相続時精算課税の比較

 

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