目次 V-4


4 民事再生法の認可決定等があった場合の債務免除益の課税軽減措置の拡大

 迅速な企業再生を支援する観点から、民事再生法等の法的整理に加え、これに準ずる一定の要件を満たす私的整理において債務免除が行われた際にも、評価損の損金算入と期限切れ欠損金の優先利用が認められることになります。
(私的整理のうち、整理回収機構や中小企業再生支援協議会が関与する私的整理及び私的整理ガイドラインに基づく私的整理が適用対象となります。)

 今年の改正で、民事再生法の再生計画の認可の決定等又はこれに準ずる再建計画(適正な資産評定に基づく貸借対照表を基礎として債務免除額が定められていること等一定の要件(下掲★参照)を満たすものに限ります。)の合意があった場合に、債務者である法人について、次の措置が講じられることになります。

(1) その有する資産の評価損及び評価益の計上を行う。
(2) 上記(1)の適用を受ける場合には、繰越欠損金のうち青色欠損金等以外の欠損金を優先して控除(債務免除益等の額を限度)をする。


 これにより、債務免除益への課税を回避することができるようになります。
 また、実際に資産を売却するまで待つ必要がなく評価損の計上ができるため、スピーディーな事業再生が可能となります。

 さらには、再建期間中に発生する所得と相殺可能な青色欠損金を温存することで、再建期間中の課税負担(資金流出)を抑え、早期の事業再生が可能となります。

★「一定の要件」とは
(1) 一般に公表された債務処理の準則に従って計画が策定されていること
(2) 適正な資産評価が行われ、その評価に基づく貸借対照表が作成されていること
(3) (2)で作成した貸借対照表に基づき債務免除額が決定されていること
(4) 2以上の金融機関による債権放棄が行われていること(整理回収機構は単独放棄でも可)
 なお、(1)〜(3)については第三者機関等の認証を得ているものに限ります。

 

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