目次 I-住宅4


4 特定の居住用財産の買換え(交換)の場合の長期譲渡所得の課税特例の延長

適用期限が平成18年12月31日譲渡分まで3年延長

 居住用財産を譲渡して譲渡損失が発生した場合の救済措置として、損益通算や繰越控除などの制度がありますが、譲渡益が発生する場合は3,000万円の特別控除との選択により、居住用財産の買換特例制度が利用できます。

〈マイホームを売却して譲渡益がでた場合の特例一覧〉
 

買換特例を適用する場合 (A)の買換特例適用
相続等により取得した居住用
財産の買換え・交換の特例
マイホームを
売却した場合
(B)の買換特例適用
特定の居住用財産の買換え・
交換の特例
3,000万円特別控除を適用する場合 軽減税率適用の譲渡所得(10年超所有)
長期譲渡所得(5年超所有)
  短期譲渡所得(5年以下所有)

 居住用財産の買換特例制度は(A)、(B)の2 種類あって、(A)は相続財産である居住用財産を買換える場合の特例で、(B)は(A)より適用要件が少し緩い居住用財産の買換特例です。(B)の買換特例は、所有期間が10年を超え、かつ、自己の居住していた期間が10年以上である住宅を譲渡し、一定の住宅を取得した場合の特例ですが、今回の改正案では、この(B)の特例期限が平成18年12月31日(現行平成15年12月31日)まで3年間延長されます。

  (A)相続等の居住用財産の買換え (B)特定の居住用財産の買換え
譲渡資産の所有期間 10年超 10年超
譲渡資産の取得原因 父母等から相続等により取得 制限なし
譲渡者の居住期間 30年以上 10年以上
買換資産の範囲 制限なし 建物の床面積50平方メートル〜280平方メートル、土地の面積は500平方メートル以下、中古の耐火建築物は築後25年以内
譲渡資産の譲渡期限
制限なし (現  行)
平成15年12月31日まで

(改正案) 平成18年12月31日まで


★居住用財産の買換特例の内容
譲渡資産の
譲渡価額
買換資産の
取得価額
の場合→ 譲渡所得は課税されません。
譲渡資産の
譲渡価額
買換資産の
取得価額
の場合→ その超える部分についてのみ、その資産の譲渡があったものとされ、譲渡所得は次の算式によって計算されます。

収入金額
  必要経費
譲渡資産の
譲渡価額(1)
買換資産の
取得価額(2)
譲渡資産の
取得費
譲渡費用 × (1)−(2)
(1)

〈特例が適用されない場合〉
居住用財産の譲渡が次のような場合には、この特例は適用されません。
(1) 譲渡した相手方が次に掲げる人である場合
  (1) 譲渡者の配偶者及び直系血族
  (2) 譲渡者と生計を一にしている親族
  (3) 家屋の譲受け後その家屋に譲渡者と同居する親族
  (4) 譲渡者と内縁関係にある者及びその者と生計を一にしている親族
  (5) その他譲渡者と特殊の関係のある個人又は法人
(2) その譲渡について次の特例の適用を受ける場合等
  (1) 収用交換などの特例
  (2) 収用等により資産を譲渡した場合等の5,000万円、2,000万円、1,500万円の特別控除の特例
  (3) 特定の事業用資産の買換え・交換をした場合の特例
  (4) 既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等への買換え・交換の特例
  (5) 特定の交換分合により土地等を取得した場合の特例
  (6) 大規模住宅地等造成事業の施行区域内にある土地等の造成のための交換等の特例
  (7) 認定事業用地適正化計画の事業用地の区域内にある土地等の交換等の特例
(3) その譲渡について、居住用財産の3,000万円特別控除、居住用財産の長期譲渡所得の軽減税率の特例の適用を受ける場合

 

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