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VI.外形標準課税制度で法人事業税はこう変わる

 外形標準課税は企業に対し、所得以外の基準で法人事業税(地方税)が課される税で、平成16年度から資本金1億円超の大企業に適用されることになります。人件費等の付加価値や資本金等を基準に課税されます。

 外形標準課税の導入に合わせて、所得に課される法人事業税の税率9.6%(現行)が4分の1引き下げられ、7.2%とされます。そして、不良債権処理を加速するために資本の増強を図っている銀行やホテルやスーパーのように人件費率の高い業種に配慮して、資本金のうち1,000億円超5,000億円以下の部分は税率を半分に、さらに5,000億円超1兆円以下の部分は4分の1の税率に軽減し、1兆円超の部分は非課税にし、資本金が巨額な持株会社に対しても子会社の持株分を資本金から除外する特例が設けられます。

 付加価値に対する課税においても人件費の割合が70%を超える部分には課税されません。



☆法人事業税への外形標準課税の導入

 平成15年度に、資本金1億円超の法人を対象として、外形基準の割合を4分の1とする外形標準課税制度が創設されます。

適用期日 この改正は平成16年度から適用されます。

参考 <法人事業税への外形標準課税制度の概要>

1.対象法人
資本金1億円超の法人

2.税額
  法人事業税額 所得割額 付加価値割額 資本割額

3.課税標準
  所得割 所得
 
付加価値割
付加価値額
(報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料±単年度損益)
報酬給与額が収益配分額(報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料)の70%を超える場合には、その超える額(雇用安定控除額)を収益配分額から控除します。
 
資本割
資本等の金額
(資本の金額又は出資金額+資本積立金額)
一定の持株会社については、資本等の金額から、その資本等の金額に総資産のうちに占める子会社株式の帳簿価額の割合を乗じて得た金額を控除します。
資本等の金額のうち1,000億円を超える部分を段階的に圧縮します。

4.税率
  所得割 付加価値割 資本割
標準税率
(制限税率
1.2倍)
所得のうち年800万円を
超える金額及び清算所得
7.2% 0.48% 0.2%
所得のうち年400万円超
年800万円以下の金額
5.5%
所得のうち年400万円
以下の金額
3.8%

5.徴収猶予
 赤字が3年以上継続する一定の法人や創業5年以内の一定の赤字ベンチャー企業を対象とする新たな徴収猶予制度が創設されます。(最長6年間の猶予)

6.適用期日
 平成16年4月1日以後に開始する事業年度分から適用

 

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