目次 III-1


III.その他の個人税制改正のポイント


1 非上場の同族会社株式の相続税の軽減特例の新設

 平成14年度税制改正では、相続・贈与関係の減税措置が見送られるなか、中小法人の自社株に係る相続税課税の軽減措置が創設されます。取引相場のない株式の換金性や相続税納付の問題に配慮して、従来の通達べースの手当てから、今回は、はじめて法律措置として手当てされました。

 ただし、小規模宅地等の評価減特例との選択適用となっており、この両制度は併用はできません。


 個人が相続又は遺贈により取得した取引相場のない株式等のうちその会社の発行済株式等の総数の3分の1以下に相当する部分については、次の要件を満たす場合に、その相当する部分の価額のうち3億円を限度として、相続税の課税価格を10%減額する措置が講じられました。

 なお、この特例を選択した場合には、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例等の適用ができません。



(1)  その会社の発行済株式等の総額(相続税評価額ベース)が10億円未満であること
(2)  被相続人等がその会社の発行済株式等の総数の50%以上を所有しており、相続人が引き続き所有し、かつ、役員としてその会社を経営していること

適用期日 この改正は、平成14年1月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用されます。

■同族会社株式の相続税の課税価格を10%軽減するフローチャート
その同族会社の発行済株式等の総額(相続税評価額)が10億円未満である

No












YES
被相続人等がその同族会社の発行済株式等の総数の50%以上を有している

No
YES
相続人が引き続きその同族会社株式を有し、かつ、役員としてその会社の経営に従事している

No
YES
相続税の申告にあたっては、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例等の適用を受けていない

No
YES
その同族会社の発行済株式等の総数3分の1以下の部分(3億円を限度)については相続税の課税価格を10%減額

 

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