目次 III-3


3 個人の短期所有土地等の譲渡所得の軽減税率の特例の延長

―適正価格要件の適用停止措置の期限を3年延長―

 その年の1月1日において所有期間が5年以下である土地等又は建物等を譲渡した場合、その譲渡所得(分離短期譲渡所得)については一般長期譲渡所得に比較してかなり重い税負担となっています。

 しかし、短期譲渡であっても、その土地等を国や地方公共団体に譲渡したり収用された場合などで一定の要件に該当する場合には、分離課税の短期譲渡所得に対する税率が所得税と住民税の合計で最低52%から最低26%に軽減されます。

 この軽減税率の特例の適用を受けることができるのは短期所有土地等の譲渡で後載の図の(1)〜(3)に該当するものです。しかし(2)の譲渡及び(3)のうち一定の譲渡については、その譲渡面積が1,000平方メートル以上の場合は、譲渡対価が適正なものに限るとされていますが、平成11年1月1日から平成12年12月31日までの間にした譲渡については適用が停止されています。改正案では、この適正価格要件の適用停止措置の期限が3年間延長され、平成15年12月31日までとされます。

現 行 改正案
軽減税率適用の
適正価格要件
平成12年12月31日
まで適用を停止
平成15年12月31日
まで適用を停止


*一口情報*
不動産譲渡契約書・建設工事請負契約書の印紙税の税率特例措置の延長

 不動産譲渡契約書又は建設工事請負契約書に係る印紙税の税率の特例措置の適用期限が平成15年3月31日(改正前平成13年3月31日)まで2年延長されます。



 ◎分離課税の短期譲渡所得の税率軽減特例の対象となる譲渡
適正価格要件の適用(停止中)















(1) 国又は地方公共団体に対する土地等の譲渡
(2) 都市基盤整備公団、土地開発公社、空港周辺整備機構、環境事業団、新東京国際空港公団、地域新興整備公団、地方住宅供給公社、日本勤労者住宅協会及び地方公共団体の全額出資で民法第34条の規定により設立された公益法人で宅地や住宅の供給又は土地の先行取得を主たる目的とするものに対する土地等の譲渡でこれらの法人の業務のために直接必要と認められるもの
公益法人に対する譲渡で譲渡土地等の面積が1,000平方メートル以上の場合
(3) 収用交換等による土地等の譲渡
土地収用法の規定による事業や一定の公団等以外に対する土地等の譲渡で面積が1,000平方メートル以上の場合


 ◎短期譲渡所得の税額の計算

(1) 一般の短期譲渡所得
  イ又はロの金額のうち、いずれか多い金額

 課税短期譲渡所得金額×40% (住民税は道府県民税3%、市中村民税9%)
(特別控除額)
{(課税総所得金額+課税短期譲渡所得金額− 50万円 ×総合税率
−課税総所得金額×総合税率}×110%

(2) 軽減税率適用の短期譲渡所得
  イ又はロの金額のうち、いずれか多い金額

 課税短期譲渡所得金額×40% (住民税は道府県民税2%、市中村民税4%)
(特別控除額)
(課税総所得金額+課税短期譲渡所得金額− 50万円 ×総合税率
−課税総所得金額×総合税率

 

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