―床面積上限280平方メートル以下、中古耐火建築物の築後年数25年以内に―
居住用財産を譲渡して譲渡益が発生する場合は3,000万円の特別控除を差し引くことができますが、居住用財産を買い換えるときには、3,000万円特別控除との選択により、居住用財産の買換特例制度が利用できます。
居住用財産の買換特例制度は(A)、(B)の2種類あって、(A)は相続財産である居住用財産を買い換える場合の特例で、(B)は(A)より適用要件が少し緩い居住用財産の買換特例です。
(B)の買換特例は、所有期間が10年を超え、かつ、自己の居住していた期間が10年以上である住宅を譲渡し、一定の住宅を取得した場合の特例ですが、改正案では、この(B)の特例の適用期限が平成15年12月31日まで3年間延長される上、新たに取得する住宅の要件が次のとおり緩和されます。なお、(A)の買換特例については今回、改正はありません。
〔買換資産〕 |
|
現 行 |
|
改正案 |
住宅の床面積の上限 |
|
240平方メートル以下 |
|
280平方メートル以下 |
中古住宅である耐火建築物の築後経過年数 |
|
20年以内 |
|
25年以内 |
適用時期 |
この改正は、平成13年4月1日以後に行う居住用財産の譲渡について適用されます。 |
★現行の特例適用要件と改正案の要件の比較
|
(A)相続等の居住用
財産の買換え |
(B)特定の居住用財産の買換え |
改正はなし |
現 行 |
改正案 |
譲渡資産の所有期間 |
10年超 |
10年超 |
10年超 |
譲渡資産の所得原因 |
父母等から相続等により取得 |
制限なし |
左に同じ |
譲渡者の居住期間 |
30年以上 |
10年以上 |
10年以上 |
買換資産の範囲 |
制限なし |
建物の床面積50平方メートル〜240平方メートル、土地の面積は500平方メートル以下、中古の耐火建築物は築後20年以内 |
建物の床面積50平方メートル〜280平方メートル、土地の面積は500平方メートル以下、中古の耐火建築物は築後25年以内 |
譲渡資産の譲渡期間 |
制限なし |
平成12年12月31日まで |
平成15年12月31日まで |
★居住用財産の買換特例の内容
|
の場合→ |
譲渡所得は課税されません。 |
|
の場合→ |
その超える部分についてのみ、その資産の譲渡があったものとされ、譲渡所得は次の算式によって計算されます。 |
収入金額 |
|
必要経費 |
|
譲渡資産の
譲渡価額(1) |
|
− |
|
買換資産の
取得価額(2) |
|
|
− |
|
譲渡資産の
取得費 |
|
+ |
|
譲渡費用 |
|
× |
(1)−(2)
(1) |
|
|
〈特例が適用されない場合〉
居住用財産の譲渡が次のような場合には、この特例は適用されません。
(1) |
譲渡した相手方が次に掲げる人である場合 |
|
(1) |
譲渡者の配偶者及び直系血族 |
|
(2) |
譲渡者と生計を一にしている親族 |
|
(3) |
家屋の譲受け後その家屋に譲渡者と同居する親族 |
|
(4) |
譲渡者と内縁関係にある者及びその者と生計を一にしている親族 |
|
(5) |
その他譲渡者と特殊の関係のある個人又は法人 |
(2) |
その譲渡について次の特例の適用を受ける場合等 |
|
(1) |
収用交換などの特例 |
|
(2) |
収用等により資産を譲渡した場合等の5,000万円、2,000万円、1,500万円の特別控除の特例 |
|
(3) |
特定の事業用資産の買換え・交換をした場合の特例 |
|
(4) |
既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等への買換え・交換の特例 |
|
(5) |
特定の交換分合により土地等を取得した場合の特例 |
|
(6) |
大規模な住宅地等造成事業の施行区域内にある土地等の造成のための交換等の特例 |
(3) |
その譲渡について、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の軽減税率による課税の特例の適用を受ける場合 |
|
★居住用財産を譲渡した場合の特例一覧 |
居住用財産を
譲渡した場合 |
→ |
買換特例を
適用する場合 |
→ |
(A)の買換特例適用 |
→ |
(B)の買換特例適用 |
→ |
3,000万円特別
控除を適用する
場合 |
→ |
軽減税率適用の譲渡所得(10年超所有) |
→ |
長期譲渡所得(5年〜10年) |
→ |
短期譲渡所得(5年未満) |
|
|