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2.住宅取得資金贈与の特例制度の拡大 |
―非課税枠が550万円に、一定の買換え・建替え・増改築等でも可― 生前贈与の特例として、「住宅取得資金の贈与の特例」があります。この特例は、例えば子供が住宅の購入を予定しているときなどに、多額の現金を贈与しても通常の贈与税額に比べてはるかに低い税額で済むという制度です。この特例は、昭和59年1月1日から平成12年12月31日(改正案では平成15年12月31日まで3年延長)までの間に、自己が居住するための住宅(その住宅の敷地を含みます。)の取得の対価に充てるための金銭(「住宅取得資金」といいます。)を父母又は祖父母から贈与された場合において、その全額をその対価に充てて一定の住宅を取得し、その取得の年の翌年3月15日までに取得した住宅に入居しているか又は以後遅滞なく入居する見込みである場合に、贈与税の負担を軽減しようというものです。 この特例の適用を受けると、贈与された住宅取得資金のうち、1,500万円までの部分については、5分5乗方式により贈与税を計算することになるため、現行では300万円(60万円×5)までの住宅取得資金の贈与については、実質的に無税で済むことになっていますが、贈与税の基礎控除額が60万円から110万円に引き上げられることに伴い、この非課税枠も550万円(110万円×5)まで拡大されます。 それに加えて、現行では、一定期間持家に居住していない者のみがこの特例の適用対象とされていますが、改正案では、一定の住宅を買い換える者や建て替える者についてもこの特例の適用対象とされます。 また、同様に工事費用が1,000万円以上又は床面積が50平方メートル以上増加する増改築や大規模修繕等についても適用対象とされます。
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