目次 II-5


5 不動産取得税の住宅特例措置の拡充

 不動産取得税は、都道府県が課す地方税で、土地や家屋を売買や贈与、新築などによって取得した場合に、その不動産が所在する都道府県において、その取得した者に課税されます。

 不動産取得税は、その課税標準に固定資産税評価額を用い、原則として4%の標準税率を乗じて計算しますが、住宅用の家屋を取得する場合は3%、さらにその住宅用家屋が一定の要件に該当する「新築特例適用住宅」の場合、課税標準から特例控除額を1,200万円控除できるなどの特例措置があります。


(1) 特定の住宅の課税標準の特例

 一定の要件に該当する新築住宅又は中古住宅を新築・取得した場合には、課税標準の特例の適用を受けることができます。

 この特例の対象となる家屋には、週末に居住するため郊外等に取得するもの、遠距離通勤者が平日に居住するために職場の近くに取得するもの、いわゆるセカンドハウス等(毎月1日以上居住の用に供するもの)は含みますが、専ら避暑、避寒その他の日常生活以外の用に供するものは対象となりません。

 特例適用となる中古住宅は、今回の改正で木造住宅等にあっては築後20年以内(現行15年以内)、鉄筋コンクリート造住宅等にあっては築後25年以内(現行20年以内)に拡大されます。

 さらに、従来まで特例措置の対象となる住宅は1平方メートル当たり17万6千円以下の価格のものに限定されていましたが、平成10年12月31日をもってこの要件が廃止されることになります。


家屋を取得した場合の不動産取得税




特例適用住宅の要件
現 行 改正案
新築住宅の
場合の要件
(1) 家屋の床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下であること
(1)改正なし
(2) 1平方メートル当たりの家屋の固定資産税評価額が176,000円以下であること
(2) 要件廃止
(平成11年1月1日以後)
中古住宅の
場合の要件
(1) 家屋の床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下であること
(1)改正なし
(2) 1平方メートル当たりの家屋の固定資産税評価額が176,000円以下であること
(2) 要件廃止
(平成11年1月1日以後)
(3) 取得日前15年(耐火構造のものは20年)以内に新築されたもの
(3) 取得日前20年(耐火構造のものは25年)以内に新築されたもの


(2) 住宅用土地の税額の減額

 (イ) 宅地等の課税標準の軽減の特例

 宅地及び宅地比準評価土地(市街化区域農地など)の取得が、平成11年までに行われた場合は、課税標準の軽減措置が設けられ、2分の1に軽減されます。



 (ロ) 住宅用地等を取得した場合の税額の軽減措置

 一定の住宅用地を平成13年6月30日までに取得した場合に限り、以下のような不動産取得税の減額措置が設けられています。




減額措置の適用要件

現 行 改正案
一般の住宅
用地の場合
の要件
(1) 土地の取得日から2年以内にその土地の上にある住宅を取得した場合
(1) 土地の取得日から3年以内にその土地の上にある住宅を取得した場合(H.11.4.1〜H.13.6.30の間の土地の取得に限る)
(2) 住宅を取得してその後1年以内にその敷地を取得した場合
(2)改正なし
















(1) 土地の取得日から2年以内にその土地に住宅を新築した場合
(1) 土地の取得日から3年以内にその土地に住宅を新築した場合(H.11.4.1〜H.13.6.30の間の土地の取得に限る)
(2) 住宅を新築して1年以内にその敷地を取得した場合
(2)改正なし








住宅の新築から1年以内にその住宅及び敷地を取得した場合 自己の居住用である場合
(1) 住宅の新築から1年を超えてその住宅及び敷地を取得した場合も適用
自己の居住用以外である場合
(2) 住宅の新築から2年以内にその住宅及び敷地を取得した場合

 (注)  中古住宅用地の場合の要件は、詳しいことが分かりませんので、今後の動向にご注意ください。

 

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