目次 VII-2


2 生命保険料控除制度の改組

 少子・長寿化が進展する中、いわゆる生損保控除について、従来の制度目的が達成されているとの指摘や社会保障制度を補完する新たな商品開発の進展等を踏まえ、保険契約者の自助努力を支援するとの観点から、生命保険料控除制度が以下のように改組されます。


(1) 所得税

 (a)  生命保険契約等のうち介護(費用)保障又は医療(費用)保障を内容とする主契約又は特約に係る保険料等について、現行の一般生命保険料控除と別枠で、4万円の所得控除(介護医療保険料控除)が創設されます。

 (b)  一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除の適用限度額がそれぞれ4万円(現行:5万円)とされます。

 (c)  上記(a)及び(b)の各保険料控除の控除額の計算は以下のとおりとされます。

年間の支払保険料等 控除額
20,000円以下 支払保険料等の全額
20,000円超40,000円以下 支払保険料等×1/2+10,000円
40,000円超80,000円以下 支払保険料等×1/4+20,000円
80,000円超 一律40,000円

 (d)  生命保険契約等の主契約又は特約の保障内容に応じ、その契約に係る保険料等を各保険料控除に適用されます。

 (e)  上記の新制度については、新制度の施行日以後に締結した生命保険契約等について適用し、同日前に締結した生命保険契約等については従前の制度が適用されます。

 この場合において、新制度と従前の制度の双方の控除の適用があるときにおける合計適用限度額は12万円とされます。

 (f)  新制度は、平成24年分以後の所得税について適用されます。今後、保険会社等におけるシステム改修の必要性、契約内容の見直し等の場合の取扱い、各保険商品の保険料控除の適用関係等、制度移行に伴う諸課題について更に検討を進め、平成22年度改正において法制上の措置が講じられます。


(2) 個人住民税

 (a)  生命保険契約等のうち介護(費用)保障又は医療(費用)保障を内容とする主契約又は特約に係る保険料等について、現行の一般生命保険料控除と別枠で、2万8千円の所得控除(介護医療保険料控除)が創設されます。

 (b)  一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除の適用限度額がそれぞれ2万8千円(現行:3万5千円)とされます。

 (c)  一般生命保険料控除、介護医療保険料控除及び個人年金保険料控除の適用がある場合における合計適用限度額は7万円とされます。

 (d)  上記(a)及び(b)の各保険料控除の控除額の計算は以下のとおりとされます。

年間の支払保険料等 控除額
12,000円以下 支払保険料等の全額
12,000円超32,000円以下 支払保険料等×1/2+6,000円
32,000円超56,000円以下 支払保険料等×1/4+14,000円
56,000円超 一律28,000円

 (e)  生命保険契約等の主契約又は特約の保障内容に応じ、その契約に係る保険料等が各保険料控除に適用されます。

 (f)  上記の新制度については、平成24年1月1日以後に締結した生命保険契約等について適用し、同日前に締結した生命保険契約等については従前の制度が適用されます。

 この場合において、新制度と従前の制度の双方の控除の適用があるときにおける合計適用限度額は7万円とされます。

 (g)  新制度は、平成25年度分以後の個人住民税について適用されます。今後、保険会社等におけるシステム改修の必要性、契約内容の見直し等の場合の取扱い、各保険商品の保険料控除の適用関係等、制度移行に伴う諸課題について更に検討を進め、平成22年度改正において法制上の措置が講じられます。

 

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