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III.土地建物に係る税制はここが変わる


 一 地震対策税制

 今年の改正では、昨今の地震に対する意識の高まりと状況を踏まえ、建築物の耐震化率を今後10年間で90%まで引き上げることを目標に、耐震性が確保された良質な建築物のストックの形成を促進し、国民の地震等への不安を解消するための税制上の支援策が創設されます。

 まず、一定の区域において、昭和56年5月31日以前に建築された一定の家屋について、新たな耐震基準を満たすための耐震改修を行った場合に、所得税額の特別控除を認める制度が新設されます。また、所得税の損害保険料控除制度が見直され、地震保険料控除制度が新たに設けられます。

 さらに、事業用の建築物については、建築物の耐震改修の促進に関する法律の認定計画に基づいた工事等が行われた場合の特別償却制度が設けられます。

適用期日
耐震改修促進税制は平成18年4月から、地震保険料控除制度は平成19年分以後の所得税から適用されます。


1 既存住宅の耐震改修に係る所得税額の特別控除制度の創設

 今年の改正で、平成18年4月1日から平成20年12月31日までの間に、一定の区域内において、その者の居住の用に供する家屋(昭和56年5月31日以前に建築された家屋で一定のもの)の耐震改修(建築基準法に基づく現行の耐震基準(昭和56年6月1日施行)に適合させるための耐震改修をいいます。以下「住宅耐震改修」といいます。)をした場合には、次の金額が税額控除の対象となります。

住宅耐震改修に要した費用の額 ×10%= 所得税額の特別控除の額
(最高20万円。100円未満の端数切捨て)

一定の区域 一定の区域とは、次に掲げる計画に定められた区域をいいます。

(1)  地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法の地域住宅計画(住宅耐震改修のための一定の事業を定めたものに限ります。)
(2)  建築物の耐震改修の促進に関する法律(以下「耐震改修促進法」といいます。)の耐震改修促進計画(住宅耐震改修のための一定の事業を定めたものに限ります。)
(3)  住宅耐震改修促進計画(地方公共団体が地域の安全を確保する見地から独自に定める計画で、昭和56年5月31日以前に建築された住宅につき、住宅耐震改修のための一定の事業を定めたものをいいます。)

適用手続
この税額控除制度は、確定申告書に、次に掲げる明細書及び書類等の添付がある場合に適用されます。

(1) 当該控除に関する明細書
(2) 地方公共団体の長の次に掲げる事項を記載した書類等
  a 当該一定の区域内の家屋である旨
  b 当該住宅耐震改修をした家屋である旨
  c 当該住宅耐震改修の費用の額

 

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