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11 代表取締役の退任 |
1 終任 代表取締役は取締役であることが前提ですから、取締役を次のような事由により終任したときには当然に代表取締役も終任することとなります。たとえば、取締役の任期の満了、辞任、死亡、会社の清算、欠格事由の発生、定款の資格喪失等により取締役たる地位を失ったときが該当します。 一方、次のような場合には代表取締役は終任しますが、取締役たる地位までも失うわけではありません。すなわち、定款または代表取締役選任決議で代表取締役の任期を定めた場合、代表取締役のみの辞任、解任、定款で代表取締役の資格を定めた場合の資格喪失の場合などにおいて、代表取締役を終任することとなります。 2 解任 非委員会型取締役会設置会社はいつでも被解任者の承諾なしに取締役会の決議によって代表取締役を解任することができます(会362、民651)。解任の効力は、解任決議により発生するという説と、解任決議後被解任者への告知により発生するという説がありますが、後者が多数説となっています。なお、任期満了前に正当な事由なく解任した場合、被解任者は解任によって被った損害の賠償を請求することができます(会339)。 非委員会型取締役会設置会社以外の会社は、特に規定がありませんが、選任と同様の方法によると解されます。 3 退任登記 代表取締役が退任した場合には、本店所在地において2週間内に、登記をしなければなりません(会915)。この登記が終了するまでは、会社は善意の第三者に対して、代表取締役の退任について対抗することができません(会908) 4 欠員 法律または定款に定めた代表取締役の員数を欠くに至ったときは、任期の満了または辞任によって退任した代表取締役は、新しく選任された代表取締役が就任するまでは代表取締役の権利義務を有します(会351)。 |