| 5 随 時 改 定 |
| (1) |
随時改定とは |
||
被保険者の標準報酬と実際の報酬額とのズレを調整するために4の定時決定が毎年行われるわけですが、これとは別に昇給や降給などにより報酬の額が大きく変動した場合には、次回の定時決定をまたずに標準報酬の改定が行われることになっています。これを「随時改定」とよんでいます。 |
|||
| (2) | 随時改定が行われる場合 | ||
随時改定は被保険者が次の(i)及び(ii)の両方の要件に該当することになった場合に行います。 |
|||
| (i) | 固定的賃金に変動があったこと | ||
| (ii) | 固定的賃金の変動があった月以後引き続く3か月の間に受けた報酬(非固定的賃金を含みます。)の平均月額によって求めた標準報酬の等級と現在の標準報酬の等級との間に2等級以上の差が生じたこと | ||
| (注) | (i)及び(ii)の要件に該当する場合であっても、対象となる3か月のうちに、報酬の支払基礎日数が20日未満となる月がある場合は、随時改定は行いません。また、固定的賃金は上昇したが、計算の結果、逆に2等級以上ランクが下がった場合も、随時改定は行いません。 |
||
| (3) | 固定的賃金の変動 | ||
(2)の(i)でいう固定的賃金とは、基本給、家族手当、通勤手当、住宅手当、管理職手当などのように、実際の稼働実績とは直接関係なしに、月や週などを単位として一定額が継続的に支給されるものをいいます。これに対して、残業手当、宿日直手当、皆勤手当などは、実際の稼働・勤務状態に基づいて直接増減して支給されるものですから固定的賃金とはいえません。 つぎに、「固定的賃金の変動があったこと」の意味ですが、この代表的なものは、昇給、ベースアップですが、そのほか次のような場合も固定的賃金の変動があったということができます。 |
|||
| (i) | 日給制から月給制への変更等給与体系の変更があった場合 | ||
| (ii) | 日給や時間給が支給されている場合にその計算の基礎となる単位の変更があった場合 | ||
| (iii) | 請負給、歩合給などの支給の基礎となる単価、歩合率の変更があった場合 | ||
| (iv) | 家族手当、住宅手当、管理職手当などの固定的な手当が新設されたり、従来の支給額が変わったりした場合 |
||
| (4) | 2等級以上の差の調べ方 | ||
(2)の(ii)でいう「2等級以上の差」があるかどうかは、次によります。 |
|||
| (i) | 被保険者が固定的賃金の変動があった月以後引き続く3か月間(例えば、4月昇給の場合は4月・5月・6月)に支給された報酬の総計を3で除して1か月当たりの平均額を求めます。 | ||
| (ii) | (i)の平均額によって求めた標準報酬の等級と現行の等級とを比べ2等級以上の差が生じているかどうかを判定します。 | ||
| (注) | 標準報酬には、上限と下限があり、昇給や降給などによって報酬が大きく変動しても2等級の差が生じない場合が出てきます。例えば、健康保険の場合、上限の標準報酬の等級は40等級ですから39等級の人はどんなに昇給しても2等級の差は生じないということになります。そこでこのような不合理をなくするため、次表の(i)欄に掲げる場合に該当する人が昇給又は降給によって変動月以後引き続く3か月間の報酬月額が表の(ii)欄に掲げる場合に該当するようになったときは、随時改定を行うことにしています。(現在のところ、健康保険と厚生年金保険とでは上限に差がありますので、その取扱いも下表のように違ってきます。) |
||
| 【標準報酬の上限・下限の取扱い】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| (5) 随時改定の手続 随時改定をする必要がある場合は、社会保険事務所へ被保険者報酬月額変更届(以下「月額変更届」といいます。)を提出します。 月額変更届の記載例 |
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| (6) 随時改定による標準報酬の使用 社会保険事務所では、提出された月額変更届により新しい標準報酬に改定し各事業所に通知します。 この新しい標準報酬は、固定的賃金の変動月以後引き続く3か月の翌月から使用し、保険料もその月分から変わることになります。(例えば、4月昇給の場合は、7月から改定され、8月徴収分から適用されます。) |