目次 IV


 IV 相続税の税務調査での質問事項とその狙い

 調査官は世間話のような中で以下のような項目についてさりげなく質問をしてきます。一般によく行われる質問とその回答から引き出そうとしているねらいや確認項目は、以下のようなものと思われます。

Q1.被相続人の死亡原因について

 事故死か病死の区別、療養期間は長かったか否か、意思能力や行為能力はいつまであったかなどを確認します。

Q2.被相続人の経歴や職歴について

 蓄財の方法や当然所有しているであろう財産の推定を行います。

Q3.被相続人の趣味について

 ゴルフが趣味であればゴルフ会員権が、骨董品に関心があればそれらの財産があるのではないかと推測します。

Q4.被相続人の財産は生前、誰が管理していたのか

 管理者の預金と被相続人の預金との区分ができているか確認します。また、仮装隠ぺいしていた事実がある場合には、誰かを特定するために質問します。

Q5.相続人の家族の職業や推定所得について

 相続人の収入の確認をし、相続人の預金等の有高のバランスを検討します。

Q6.郵便局やJAの預貯金等がないか

 一般的に都心部以外の地域では郵便局やJAとの取引が多く行われているため、申告されていない場合、確認します。

Q7.相続税の納税資金はどこから捻出したのか

 多額の相続税の納税資金の出所はどこかを確認し、申告漏れとなっている金融資産などの発見の端緒とします。

Q8.その他の金融資産はないか

 具体的に○×銀行などに預金はないかと質問する場合には、資料を押さえたうえでの質問と思われます。その場合、相続人は再確認のうえ申告漏れがないか慎重な対応が必要です。

 

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