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(4) 登記簿謄本の取得方法

[1] 管轄

 不動産の登記の事務は、その不動産の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局又はこれらの出張所で行われます。これらの法務局のことを登記所と呼んでいます。不動産が2つ以上の登記所の管轄区域にまたがっている場合は、その不動産に関する登記の事務をつかさどる登記所が指定され、そのうちの1つの登記所で行われます。また、その登記所における事務は、登記官が行います。

 その不動産を管轄する登記所以外の登記所に登記申請手続をしても、その登記申請は却下されますので、管轄については注意が必要です。

 また、登記手続もオンラインで申請できるようになり、オンライン申請できる登記所として法務大臣から指定された登記所のことを「オンライン指定庁」と呼んでいます。オンライン指定庁か指定されていない登記所かによって、登記申請手続が異なります。登記申請する際は、その登記所がオンライン指定庁となっているかも事前に確認する必要があります。


[2] 不動産登記簿の公開

 不動産登記簿は公開されており、誰でも登記官に手数料を納付して、登記簿に記載されている事項の全部又は一部を証明した書面(登記事項証明書)の交付を受けることができます。また、登記簿に記載されている事項の概要を記載した書面の交付を受けることもできます。これらは、一般に、「要約書」と呼ばれているもので、登記事項証明書と異なり、法務局がその内容を証明したものではありません。何らかの証明書類として取得する場合には、法務局の証明がある全部事項証明書を取得する必要があります。

 また、インターネットを利用することにより、登記所に出向かずに登記簿に記載されている内容を確認することもできます。これは、財団法人民事法務協会が提供しているもので、登記情報提供サービスと呼ばれています。手数料をクレジットカード決済することにより、誰でも利用することが可能です。手数料は、1筆につき480円です。

 登記事項証明書は、交換システムを導入している登記所同士であれば、管轄登記所以外の登記所でも、取得することができます。例えば、大阪市中央区に存する不動産の登記簿謄本を東京法務局で取得することも可能です。交換システムを導入していない登記所については、その管轄登記所に出向かなければ取得することはできません。要約書は、管轄登記所以外の登記所で、取得することはできません。

 それぞれ取得にかかる手数料は、次のとおりです。

登記事項全部証明書   1000円/1筆
登記事項一部証明書 1000円/1筆
所有者事項証明書 1000円/1筆
閉鎖登記簿謄本 1000円/1筆
要約書 500円/1筆
登記簿の閲覧 500円/1筆
公図等の地図の閲覧 500円/1筆
公図等の地図の写し 500円/1筆

 法務局の備え置かれている地図(公図)や建物図面の閲覧や写しの請求もすることができます。

 

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