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債務者が任意に支払をしない場合、債権を実現する最後の手段は、執行機関としての権能を持つ裁判所又は執行官(以下「執行機関」といいます。)に強制執行の申立をし、強制的に、債務者の財産を差し押さえ、その財産から回収を図るしかありません。
強制執行を開始してもらうには、必ず提出しなければならないものがあります。それは、(1)債務名義、(2)執行文、(3)送達証明書の三点セット、それから必要に応じて(4)判決確定証明書です。
【1】 債務名義
これは、強制執行によって実現しようとする権利が確かに存在することを公に証明する文書です。
【2】 執行文
債務名義の執行力の現存とその内容を公に証明するために、債務名義の末尾に付記される公証文言のことです。(ただし、これを不要とする債務名義もあります。和解調書や調停調書、少額訴訟の判決、仮執行宣言付支払督促等です。)
この執行文は、債務名義を作成したところに、債務名義を提出して「執行文付与の申立」をして、入手します。債務名義を作成したところとは、判決や和解調書であれば、これを作成した裁判所の裁判所書記官ですし、公正証書であれば、これを作成した公証人です。裁判所書記官らが、債務名義に次のような執行文を添付してくれます。
債権者○○○○は、債務者○○○○に対し、この債務名義により強制執行をすることができる。
平成○年○月○日
○○地方裁判所
裁判所書記官 △△△△ 印
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なぜこのような文言が必要かというと、債務名義(権利)があっても必ずそれに基づき執行できるとは限らず、執行力を別途認めてもらう必要があるからです。例えば、「Yは、Xから○○円の支払を受けたときは、Xに本件動産を引き渡せ」というように、債務名義に記載された債権の行使に一定の条件が付されることがあります。Xは、Yに○○円支払わなければ権利行使(執行)できないので、その事実を債務名義を作成した機関に証明してはじめて、執行力を認めてもらいます。
【3】 送達証明書
強制執行は、迅速さに重きがおかれ、債権者からの申立によってのみ開始されます。そのため、万が一の確率で、債権者がその債務名義記載の債権について既に債務者から任意の支払を受けているのに、これを秘して強制執行を開始させるということがないとは限りません。
このような違法な強制執行に対し、債務者に防御の機会を与えるため、債務者に債務名義を送達し、どんな理由で、どのような内容について強制執行が行われるのかを知らせる必要があります。そこで、この送達の手続を踏んだことを証明してはじめて、強制執行を開始することができることとしているわけです。
この送達証明は、判決や和解証書、調停調書については裁判所の裁判所書記官に、公正証書については公証人に申請して、発行してもらいます。
【4】 判決確定証明
判決に仮執行宣言が付されていない場合、判決が確定してはじめて、債務名義になり執行力が付与されますので、判決が確定していることを公に証明する文書が必要です。
この証明書は、判決を出した裁判所の裁判所書記官に申し立てれば、受領できます。
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