4 支払督促の使い方 II-3-4

 
支払督促の流れ



【1】 訴訟によらず債務名義を取得するには?
 
 債務者が任意の支払をしないときの最終的な手段は、強制執行を申し立てることであり、強制執行を申し立てるには、その債権についての債務名義がなければいけません。
 債務者が全く支払をしなくなる前の段階で、その債権について即決和解調書や公正証書、民事調停調書をとっていれば、強制執行を申し立てるまでに時間がかかりません(もっとも、分割払の約束である場合には、その約束と同時に、「期限の利益喪失」の約束もしておかないと、最終の分割弁済期まで待っていなければなりません。)。
 しかし、このような債務名義がなく、債務者との交渉では埒があかない状況に至っている場合には、何をしたらよいのでしょう。
 訴訟をするしかないのか、と思われる方も多いかもしれませんが、そうではありません。訴訟によらずに債務名義を取得できる手続があります(→支払督促)。また、訴訟でも、弁護士に頼まず、ご本人で起こしたり、会社の従業員が代理人になって起こせる手続もあります(→少額訴訟、簡易裁判所に対する訴訟、手形小切手訴訟)。
 ここでは、支払督促の使い方について説明します。
 
 
【2】 支払督促とは
 
 支払督促とは、売掛金、貸付金などの金銭及び有価証券について相手側が支払わない場合に、申立人の申立書類だけに基づいて、裁判所書記官が支払督促状を相手方に発布する手続のことです。

支払督促の特徴
支払督促のメリット
(1) 申立書類の審査だけで、迅速に発布される。
(2) 申立書には、申立人の請求内容について必要最低限のことを記載すればよく、簡易である。
(3) 法廷に行く必要がない。
(4) 申立手数料(印紙代)は、訴訟を提起する場合の手数料の半額であり、安価である。
支払督促のデメリット
(1) 異議が出されることが予想される場合は、始めから通常訴訟を提起した方が早い。
(2) 相手方住所地が遠方でかつ異議が出されることが予想される場合には、自社の住所地に提起できる通常訴訟をする方がよい。
(3) 相手方が所在不明である場合は、利用できない。

 

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