|
【1】 単純保証・連帯保証における付従性とは?
単純保証や連帯保証には「付従性」といって、主たる債務が消滅すると保証債務も消滅するという性質があります。すなわち、単純保証や連帯保証(この項では、普通の保証といいます。)は1回限りの取引の債務の履行を保証する性格のものです。
普通の保証を使って売買取引関係から生じる債務の履行を保証しようとすれば、決済の都度保証債務が消滅しますので、取引の都度いちいち保証契約を結びなおさなければなりません。
これでは大変煩雑で継続する売買取引関係から多数生じる債務の履行を保証することはできません。
【2】 根保証とは?
根保証はこの欠点を克服するため考えられたもので、債務者が債権者に現在有し又は将来有する一切の債務を(債務者と連帯して)保証する約束をいいます。根保証には普通の保証に見られるような付従性がないので、継続的商取引から生じる債権について、取引が終わるまで何回も利用できます。
上記の説明では普通の保証が主流のように思われるかもしれませんが、保証の実務においては根保証が数多く使われています。
【3】 根保証にはいろいろある!?
 |
包括根保証 |
…… |
極度や期限を定めず一切の債務を保証 |
| 限定根保証 |
…… |
極度ないし期限を定めた保証 |
根保証は普通の保証から付従性を除き継続的な商取引に使えるように工夫されたものですから、単純保証にも連帯保証にも根保証を入れることができます。
根保証を大きく分類すると、保証の極度や期限を定めず一切の債務を保証する「包括根保証」と、極度ないし期限を定めた保証である「限定根保証」とがあります。
【4】 契約書を作るときは?
包括根保証と限定根保証とでは債権者にとってどちらが有利でしょうか。
一見、包括根保証は保証人の責任の上限がないため、債権者としてはこちらの方が有利に見えます。しかし、包括根保証は次項で詳述するように、保証人に解約権が判例により認められており、トラブルの生じるおそれの高い制度であるため、債権回収実務においては限定根保証をとることが大半です。
【限定根保証の実務】
というわけで、標準的な根保証の契約書や保証書の様式は、限定根保証を前提にしている場合がほとんどです。ところが、保証契約をとる営業担当者や企業の法務面のアドバイスを求められる税理士などに保証契約についての基本知識がないために、わざわざ限定根保証の様式を包括根保証の様式に作り直したり、極度額の欄をブランクのままにしているといったことが実に多いようです。
限定根保証の様式で極度についてブランクにした保証契約は、事実上包括根保証と変わらなくなります。
【内容に注意】
限定根保証を前提とする契約書を作る場合には、次の点に注意します。
| (1) |
保証の対象となる債務の範囲
保証の対象となる債務の範囲については、「貴会社に対し現に負担し又は将来負担すべき一切の債務」というように債務の範囲を限定しない方法もありますし、債務の内容を限定する方法もあります。 |
| (2) |
極度額
極度額については保証人本人の手で記入するか、あらかじめ印刷する必要があります。 |
| (3) |
期限
期限は特に定める必要はありません。 |
| (4) |
連帯保証である旨
連帯保証である場合には連帯保証である旨を記載する必要があります。 |
|
|