3 「保証」の基礎知識
 
 
1 保証・連帯保証ってどんなもの? I-3-1

 
【1】 単純保証とは?
 
 保証とは、債務者が債権の弁済を遅滞したときに主債務者に代わって保証人が債権者に弁済をなすことを約束することをいいます。保証のことを「普通の保証」とか「単純保証」ということがあります。
 保証人が負うべき債務を「保証債務」といい、保証債務の目的となった債務のことを「主たる債務」といいます。保証債務は主たる債務と同じ内容の債務を負担するに過ぎず、主たる債務より加重した債務を負うことはありません。
 主たる債務者が債務の不履行となったため、保証人が、債権者に弁済しなければならない場合を考えてみましょう。債権者から債務の弁済を求められた保証人としては「主たる債務者に先に請求してくれ!」と思うのが人情です。そこで、単純保証の場合には、保証人に「催告の抗弁権」といって、債権者に対してまず主たる債務者に支払の請求を求めることができる権利があります。
 さらに、保証人としては「主たる債務者が強制執行の結果カネ目のものがなかったのがわかってからでないと、肩代わりなんかしたくない」と思うのもまた、人情です。単純保証の場合には、保証人に「検索の抗弁権」といって、「うちに来るのはお門違いです!主たる債務者に先に強制執行かけてから来てください」といえる権利があります。
 保証人が複数いる場合には、各保証人が負うべき保証債務は保証人の頭割りとなります。これを「分別の利益」といいます。例えば、単純保証の場合において主たる債務が1,000万円、保証人が5人であれば、各保証人が負う保証債務は200万円となるわけです。すなわち、単純保証における保証人の地位は、主たる債務者の責任を補充する補充的責任を負うのです。
 
 
【2】 連帯保証とは?
 
 ところが連帯保証の場合には、同じ保証という名前がついていても、単純保証と異なり「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」「分別の利益」がありません。
 すなわち連帯保証人は、主たる債務者が債務の履行を遅延した場合には、主たる債務者にお金があろうがなかろうが債権者からの請求に応じなければなりません。しかも、連帯保証人が数人いる場合には各人が主たる債務の全額の請求に応じなければならないのです。
 したがって、連帯保証は単純保証よりかなりきつい責任を負うことになります。言い換えれば、連帯保証における保証人は主たる債務者と同じ責任を持つ立場にあるわけです。
 当然、債権者側に立てば、債権の保全策としては単純保証よりも連帯保証をとった方がよいのです。
 
 
【3】 保証契約をとるためには?

 保証契約を交わすには、保証人から債権者に差し出す「保証書」方式と、保証人と債権者の間でハンコを交わす「契約書」方式があります。保証書方式であっても保証人と債権者との間の契約には変わりありません。


【4】 保証人のサインは本物か?

 債権者が保証書を入手するときには、「保証意思の確認」を怠ってはいけません。すなわち、保証人が本当に保証したのかどうかです。実務上問題となるのは、保証書のサインを債権者の面前でなされていない場合と実印の捺印及び印鑑証明がない場合です。
 したがって、保証書は債権者の面前で保証人がサインするのを確認するのがベストです。
 それができない場合には、次の方法により「保証意思の確認」を確実に行っておくことが必要です。

(1) 「保証意思確認通知書」を配達証明付郵便で送付する等の方法
(2) 口頭で保証意思を確認し録音等の方法により証拠を残す方法

 

次ページ