目次 II-4(2)


(2) 側方路線影響加算

 側方路線影響加算は、宅地が正面と側方とで路線に接している場合に評価額が加算されることをいいます。正面路線の奥行価格補正後の価額に、その側方路線に正面路線と同様の方法で奥行価格補正を行い、さらに側方路線影響加算率(「側方路線影響加算率表」に定める加算率)を用いて算定した価額を加算します。
 正面路線は、実際に利用している路線であるかどうかに関係なく、その宅地の接する路線の路線価に奥行価格補正率を乗じて計算した金額の高い方の路線とします。
 例えば、次のB地のような場合です。

 2つの道路に接しているわけですから、利便性がよく、評価額も高くなるであろうという考え方です。
 B地の場合を「角地」と呼ぶのに対して、

 左のように一つの道路が折れ曲がってその内側に土地が接している場合を「準角地」といいます。

 「角地」の方が「準角地」よりも利便性がよいわけですから、高い評価になります。

 B地の側方路線影響加算率は、次の「側方路線影響加算率表」より、「普通住宅地区」の「角地の場合」の「0.05」になります。
 土地評価単価は、次の算式で計算します。
 正面路線価×奥行価格補正率+側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率
 正面路線とは、原則として、奥行価格補正後の金額の高い方の路線(B地では300千円×0.98=294千円の方)をいいます。
 側方路線は、正面路線以外の路線、つまり奥行価格補正後の金額の低い方の路線(B地では50千円×0.94=47千円の方)になります。
  土地評価単価=300千円×0.98+50千円×0.94×0.05=296.35千円
  土地評価額 =296.35千円×30m×36m=320,058千円


【側方路線影響加算率表】
地 区 区 分 加  算  率
角地の場合 準角地の場合
ビル街地区 0.15 0.07
高度商業地区
繁華街地区
0.10 0.05
普通商業・併用住宅地区 0.08 0.04
普通住宅地区
中小工場地区
0.05 0.02
大工場地区 0.02 0.01

 

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