4 電子計算機等による平成15年分年税額の計算の手順
 
 平成15年分の年末調整を電子計算機等によって行う場合には、「平成15年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」を電子計算機等に組み込まなければなりませんが、この場合、次に掲げるような方法によりプログラムを作成すると便利です。
 
1 「給与所得控除後の給与等の金額」の計算
 
(1)  年税額の計算をするには、まず、次の整理区分に応じ、給与の総額を「年調給与額」に置き換える必要があります。この「年調給与額」は、給与の総額が161万9,000円以上660万円未満の場合、「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」(以下「給与所得表」といいます。)の「給与等の金額」欄の各階級の最低金額に当たるものです。

表1 「年調給与額」の整理区分

給与の総額((a)) 階差((b))
同一階差
の最小値
((c))
年   調   給   与   額
1,618,999円まで 給与の総額をそのまま年調給与額とします。
1,619,000円から
1,619,999円まで
1,000円 1,619,000円 下記の【算式】に、左の階差及び同一階差の最小値を当てはめて計算した金額を年調給与額とします。
1,620,000円から
1,623,999円まで
2,000円 1,620,000円
1,624,000円から
6,599,999円まで
4,000円 1,624,000円
6,600,000円から 給与の総額をそのまま年調給与額とします。
(注)  給与の総額が1,031,000円未満の場合には、その給与の総額に対する給与所得控除後の給与等の金額は381,000円未満となり、その金額から基礎控除額(38万円)を差し引くと他の所得控除額がなくても、課税給与所得金額は1,000円未満となり、その年税額は0となりますから、しいてこの置換え計算をする必要はありません。
 
【算式】
 
 (i)…… 給与の総額(a)−同一階差の最小値(c) =商…余り(d)
階差(b)

 (ii)……給与の総額(a)−(i)の余り(d)=年調給与額(e)

(注1)  算式中の「階差」は、「給与所得表」に定める各階級の属する給与等の金額の階差です。
(注2)  「商」の値は、自然数又は0とします。

(2)  (1)により求めた「年調給与額」を基にして、次の算式によって「給与所得控除後の給与等の金額」を計算しますが、「年調給与額」が660万円以上であって、次の算式により求めた金額に1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。
 
【算式】

年調給与額(e)× (e)に応ずる
表2の率
(e)に応ずる
表2の控除額
給与所得控除後
の給与等の金額

 
表2 「給与所得控除後の給与等の金額」計算上の率及び控除額

年調給与額(e) 控  除  額
以   上 以   下
651,000
1,619,000
1,620,000
1,622,000
1,624,000
1,628,000
1,800,000
3,600,000
6,600,000
 10,000,000
 20,000,001
650,999
1,618,999
1,619,999
1,621,999
1,623,999
1,627,999
1,799,999
3,599,999
6,599,999
9,999,999
 20,000,000
 100
60
60
60
60
60
70
80
90
95
(全額)
650,000
2,400
2,000
1,200
400
なし
180,000
540,000
1,200,000
1,700,000
(年末調整しない)
 
 
2 課税給与所得金額の計算
 
 により求めた「給与所得控除後の給与等の金額」から、表3の社会保険料控除額、小規模企業共済等掛金控除額、生命保険料控除額、損害保険料控除額、配偶者控除額、配偶者特別控除額、扶養控除額、障害者等の控除額及び基礎控除額の合計額を控除して「課税給与所得金額」を計算します。
 
【算式】
 
給与所得控除後
の給与等の金額
社会保険
料控除額
小規模企業共済
等掛金控除額
生命保険
料控除額
損害保険
料控除額
 
配偶者
控除額
配偶者特
別控除額
扶 養
控除額
障害者等
の控除額
基 礎
控除額
課税給与
所得金額
(f)

 
表3 平成15年分の「各種所得控除額」

生命保険料控除
一般の生命保険料の金額を
下の(1)〜(3)に当てはめて計
算した金額(最高5万円)
個人年金保険料の金額を下
の(1)〜(3)に当てはめて計算
した金額(最高5万円)
(1) 25,000円までの場合 ……支払保険料の全額
(2) 25,000円を超え50,000円までの場合 ……支払保険料×1/2+12,500円
(3) 50,000円を超える場合 ……支払保険料×1/4+25,000円
損害保険料控除
長期損害保険契約の支払保険料 短期損害保険契約の支払保険料
支払保険料が1万円を超える場合は、その支払保険料×1/2+5千円 支払保険料が2千円を超える場合は、その支払保険料×1/2+1千円(最高3千円)
(合計最高1万5千円)
配偶者控除額
  右記以外の人 同居特別障害者に該当する人
(1) (2)以外の控除対象配偶者 380,000円 730,000円
(2) 老人控除対象配偶者 480,000円 830,000円
配偶者特別控除額
控除対象配偶者に該当する人(注) 控除対象配偶者に該当しない人
配偶者の合計所得金額 控除額 配偶者の合計所得金額 控除額
49,999
50,000 99,999
100,000 149,999
150,000 199,999
200,000 249,999
250,000 299,999
300,000 349,999
350,000 379,999
380,000円
380,000
330,000
280,000
230,000
180,000
130,000
80,000
30,000
380,001 399,999
400,000 449,999
450,000 499,999
500,000 549,999
550,000 599,999
600,000 649,999
650,000 699,999
700,000 749,999
750,000 759,999
760,000
380,000
360,000
310,000
260,000
210,000
160,000
110,000
60,000
30,000
扶 養 控 除 額
  右記以外の人 同居特別障害者に該当する人
(1) (2)(3)以外の扶養親族 380,000円 730,000円
(2) 特定扶養親族 630,000円 980,000円
(3) 老人扶養親族 同居老親等 580,000円 930,000円
そ の 他 480,000円 830,000円
障害者控除額
一 般 の 障 害 者 270,000円
特 別 障 害 者 400,000円
老 年 者 控 除 額 500,000円
寡 婦 控 除 額 270,000円(特別の寡婦は350,000円)
寡 夫 控 除 額 270,000円
勤労学生控除額 270,000円
社会保険料控除 支払った保険料の全額
小規模企業共済
等掛金控除額
支払った掛金の全額
基 礎 控 除 額 380,000円
(注)  控除対象配偶者に該当する人の配偶者特別控除は、平成16年分以後の所得税から、適用がないこととされました。
 
 
3 年税額の計算
 
 により求めた「課税給与所得金額」から次に掲げるところにより年税額を求めます。この場合、課税給与所得金額に1,000円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。
 
【算式】
 課税給与所得金額×次表の税率(A)−次表の控除額(B)=年税額
 
課 税 給 与 所 得 金 額 税 率 (A) 控 除 額 (B)
3,300,000 円以下
3,300,000 円超 9,000,000
9,000,000 16,920,000
10%
20%
30%
330,000円
1,230,000〃
(注)  年末調整の対象となる人の課税給与所得金額は、最高額で1,692万円となります。
 
 なお、住宅借入金等特別控除の適用がある場合には、上記により計算した年税額から年末調整に係る住宅借入金等特別控除額を控除した残額が「年調年税額」になります。また、上記により計算した年税額より住宅借入金等特別控除額の方が多いときは、その算出年税額の範囲にとどめ、控除しきれない部分の金額は切り捨てます。
 
 
4 平成15年分年税額の計算
 
 平成15年分年税額(年調定率控除額控除後の年税額)の計算は、次の算式により行います。この場合、平成15年分年税額に100円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。
 
【算式】
 
  差引年税額− (差引年税額×0.2) =平成15年分年税額
最高25万円

 
5 電子計算機等による年税額の計算例
 
 月々の給与について、電子計算機等で算出した税額を徴収している人で、年末調整の年税額の計算も電子計算機等で行っている人の計算方法を具体例で示すと、次のとおりです。
 

【設 例】
給与の総額 4,890,115円
所得控除の明細
 社会保険料の額  586,813円
 生命保険料の額  100,000円
 控除対象配偶者  あり……所得なし。一般の控除対象配偶者に該当
 扶養親族の数  1人……特定扶養親族に該当
(1)  まず、給与の総額4,890,115円をの(1)の算式を用いて「年調給与額」に置き換えます。
 
(i) 4,890,115円−1,624,000円 816(商)…2,115(余り)
4,000円
(ii) 4,890,115円−2,115円(余り) 4,888,000円(年調給与額)

(2)  次に、(1)により求めた「年調給与額」に基づいて、の(2)の算式により、「給与所得控除後の給与等の金額」を求めます。
 
4,888,000円×0.8−540,000円=3,370,400円 (給与所得控除後の給与等の金額)

(3)  (2)で求めた給与所得控除後の給与等の金額3,370,400円からの算式により各種所得控除額を控除して、「課税給与所得金額」を求めます。
 
(社会保険料控除) (生命保険料控除) (配偶者控除) (配偶者特別控除)
3,370,400円 ( 586,813円 50,000円 380,000円 380,000円

(扶養控除) (基礎控除)
630,000円 380,000円 963,587円(課税給与所得金額)

(注1)  生命保険料の支払金額が100,000円以上の場合、最高限度額の50,000円が生命保険料控除額となります。
(注2)  配偶者特別控除額は、配偶者に所得がないので、380,000円となります。

(4)  課税給与所得金額963,587円を基にして、の算式により年税額を計算します。
 
963,000円 ×0.1=96,300円(年税額)
(1,000円未満切捨て)

 年末調整に係る住宅借入金等特別控除額がある場合は、その金額を控除した残額が年調年税額となります。
 

(5)  年税額96,300円を基にして、の算式により平成15年分年税額を計算します。
 
96,300円−96,300×0.2円= 77,040円 (平成15年分年税額)
(100円未満切捨て)

 なお、平成15年分年税額と徴収済みの税額とを比較して過不足額を算出することになります。

 

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