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20 年金課税の見直し


Question
 年金税制が改正されたということですが、どのように変わるのですか。



Answer

 公的年金等控除額が引き下げられるとともに、老年者控除が廃止されます。


 1 公的年金等控除額の改正

 障害の年金と遺族の年金は税金がかかりませんが、老齢の年金による所得は、雑所得として所得税と住民税が課税され、公的年金等控除を差し引いた額が課税対象となります。


 今回、この公的年金等控除額について、次のような改正が行われました。

  イ  公的年金等控除のうち、年齢65歳以上の者の上乗せ措置が廃止されました。

  ロ  老年者特別加算として年齢65歳以上の者の公的年金等控除の最低保障額が50万円加算され、120万円とする特別措置が講じられました。

 改正後は次のようになります。

公的年金等に係る雑所得金額の速算表
平成16年分まで
  公的年金等の収入金額A 公的年金等に係る
雑所得の金額
以 上 未 満
65歳未満 130万円未満 A−70万円
130万円 410万円 A×75%−37.5万円
410万円 770万円 A×85%−78.5万円
770万円以上 A×95%−155.5万円
65歳以上 260万円未満 A−140万円
260万円 460万円 A×75%−75万円
460万円 820万円 A×85%−121万円
820万円以上 A×95%−203万円

平成17年分以降
  公的年金等の収入金額A 公的年金等に係る
雑所得の金額
以 上 未 満
65歳未満

130万円未満

A−70万円
130万円 410万円 A×75%−37.5万円
410万円 770万円 A×85%−78.5万円
770万円以上 A×95%−155.5万円
65歳以上 330万円未満 A−120万円
330万円 410万円 A×75%−37.5万円
410万円 770万円 A×85%−78.5万円
770万円以上 A×95%−155.5万円

 したがって、改正後は65歳以上で年金収入が330万円以下の人は120万円の控除額となり、330万円を超える人は「65歳未満」と同じ控除額になります。


 2 老年者控除の廃止

 所得控除は課税所得から控除されるものですが、納税者本人がその年の12月31日現在65歳以上で、その年の所得金額が1,000万円以下の場合、老年者控除が受けられます。平成16年度の改正で、この老年者控除が廃止されます。


※適用期日
 1、2の改正は、平成17年分以後の所得税及び平成18年度分以後の個人住民税について適用されます。


 

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