目次 VII


VII.各種の保険料の負担に対する取扱い

 役員や使用人のために生命保険料や損害保険料を負担する事例は、福利厚生という面のほか、保険の普及や新種保険の開発等とあいまって、かなり多くみられるようになっています。

 このように、生命保険料や損害保険料で役員や使用人の支払うべきものを使用者が負担した場合には、その役員や使用人は、その負担してもらった金額に相当する経済的利益を受けたことになり、給与としての課税問題が生じます。また、健康保険の保険料、厚生年金保険の保険料、雇用保険の労働保険料のような社会保険料は、使用者と使用人との負担割合がそれぞれ法律で定められていますが、その負担割合を超えて使用人が本来負担すべき保険料を使用者が負担する場合にも、同様の問題が生じます。

 しかし、このような保険料の負担が使用人に対する福利厚生の一環として行われていたり、その負担金額が少額であったり、保険事故が発生しない限り現実的に経済的利益を手にすることができないものもあったりするなど、役員や使用人の給与として課税対象とすることが適当でないと認められる場合もあり、各種の保険料の負担については、このような点を考慮し、特別の取扱いが設けられています。

 

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