| III-4 |
| III.公益法人の決算手続 |
| 4 税務申告手続 |
| ここでは、特に公益法人の法人税に関して取り上げてみたい。 1 公益法人の法人税 法人税法上、公益法人は原則として非課税とされているが、例外的に公益法人が収益事業を行っている場合、当該事業から生じる所得について法人税が課せられることとなっている。ここで収益事業とは法人税法施行令に掲げる事業であり、次のとおり33の業種が列挙されている。
また、法人税基本通達において、〈公益法人等が法人税法施行令第5条第1項各号に掲げる事業のいずれかに該当する事業を営む場合には、たとえその営む事業が当該公益法人等の本来の目的たる事業であるときであっても、当該事業から生じる所得については法人税が課せられることに留意する〉とあり、本来の目的か否かではなく、法人税で規定する収益事業を行っているか否かで課税か非課税かが決まるとしている。 2 法人税の申告手続 法人税法に規定する収益事業を行っている公益法人は、毎期各事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、所轄税務署長に対し、確定申告書を提出するとともに税金を納付しなければならない。この確定申告書には以下の書類を添付する必要がある。 (1) 貸借対照表 (2) 損益計算書 (3) 勘定科目内訳明細書 ただし上記の書類について、収益事業にかかる部分だけでなく、収益事業以外の事業にかかる部分も一緒に提出しなければならないことに注意が必要である。 3 区分経理 法人税法施行令において「公益法人等及び人格のない社団等は、収益事業から生ずる所得に関する経理と収益事業以外の事業から生ずる所得に関する経理とを区分して行わなければならない」と規定している。このため、収益事業を行う公益法人は、収益事業以外の事業と収益事業との両方について区分経理し、財務諸表を作成することとなる。 さらに、法人税法基本通達において区分経理の考え方として、「単に収益及び費用に関する経理だけでなく、資産及び負債に関する経理を含む」と規定しており、一般会計と特別会計という形で完全に分離した経理を行い、別々の財務諸表を作成することを要請している。ただし、その例外として、ひとつの資産が収益事業の用と収益事業以外の事業の用とに共用されている場合(それぞれの事業ごとに専用されている部分が明らかな場合を除く)には、当該資産については収益事業に属する資産としての区分経理はしないで、その償却費その他当該資産について生ずる費用の額のうち収益事業にかかる部分の金額を当該収益事業に係る費用として経理することを認めている。 しかし、収益事業の規模が収益事業以外の事業と比べて明らかに小さい場合などには、実務上は収益事業の部分について特別会計として区分経理せず、財務諸表作成時に収益事業部分のみを抽出して財務諸表を作成し、法人税を申告する方法が行われている。 |
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