公益法人における伝統的な予算管理は予算準拠主義に従ったものである。予算は事業計画を資金的に表現したものであり、収支予算という形式がとられてきた。事業年度開始前に理事会や総会で承認を受けた事業計画と収支予算書に基づき、理事者に忠実に業務執行させることを主たる目的としている。
予算は理事者の権限と責任の範囲を限定するとともに、事業を構成する諸活動を合理的に実施するための手段となる。収支予算という形式をとるのは、同じように収支予算による予算準拠主義にしばられる主務官庁にとって、補助金等の管理をしやすい方法であるということが大きく影響していると思われる。
公益法人が提供するサービスは、行政が提供するサービスと同様に公共財であるため、社会的な厚生への寄与を、営利企業の利益のような単一の業績指標で表現できない。事業活動の成果を貨幣価値で表現することが困難であるため、支出額そのものでその公益的な価値を評価せざるを得ない。言い換えると営利企業における利益のように、事業活動をその結果で評価することが困難なため、理事会等の意思に従って支出を行ったというプロセスで統制せざるを得ない。その支出をコントロールするのが収支予算書の役割といえる。
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平成16年公益法人会計基準(平成16年10月14日 公益法人等の指導監督等に関する関係省庁連絡会議申合せ。以下、16年基準)における収支計算書の位置づけ |
公益法人において収支予算の執行結果を明らかにする計算表が「収支計算書」である。16年基準の前(昭和60年公益法人会計基準(昭和60年9月17日 公益法人指導監督連絡協議会決定。以下、60年基準))までは、(1)収支計算書、(2)正味財産増減計算書、(3)貸借対照表、(4)財産目録、が公益法人の作成すべき「計算書類」とされていた。60年基準までは、主務官庁に公益法人の活動結果を報告するための計算書類を作成する基準という色合いが濃かったが、16年基準では社会の要請に応えるべく、広く国民一般に対する財務情報を提供するための財務諸表を作成する基準としてその性格を変えた。 |