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第 I 章 固定資産税のしくみ


1 固定資産税は賦課課税方式

ポイント  所得税や相続税は、自分で税金を計算して納税しなければなりません。ところが固定資産税は、何の手続をしないでも税額が記載された納付書が送られてきます。それだけに自らが納得して納付することがより大事になりますので、固定資産税のしくみを理解し、自分の土地や建物の現況をしっかりと確認しておくことが必要です。


【1】 申告納税方式で納税するもの

 所得税は、一年間の収入金額や売上金額を集計し、その収入や売上げを得るためにかかった費用を差し引いて利益の額を算出し、事業所得、譲渡所得、配当所得などの所得の種類ごとに所得金額を計算、これを集計して、さらに、ここから各種の所得控除を差し引いた課税所得金額に税率をかけて税額を計算することになります。これらの計算や申告手続は納税者自らが行い税金を納めることになります。このような納税方式を申告納税方式といいます。


【2】 固定資産税は賦課課税方式

 ところが固定資産税は、毎年1月1日現在の固定資産の所有者に対して、市町村がほぼ一方的にその固定資産を評価して税額を計算して課税します。ここでは納税者はその評価や計算を自ら行うことはありません。このような納税方式を賦課課税方式といいます。
 申告納税方式では、課税庁が申告内容に間違いや不審な点があると税務調査を行い、間違いが発見されるとその修正を求めたり、場合によっては強制的に賦課決定通知をして正しい税額の納税を求めれられます。
 賦課課税方式である固定資産税の場合には、万一間違いや事実誤認があったときには納税者自身がその訂正を求めなければなりません。


【3】 1億7,000万筆もある土地――自分の土地は自分で確認

 土地は登記所にその地籍ごとに登記されていますが、この登記の数(これを筆数といいます。)は全国でなんと約1億7,000万筆もあるといわれています。これをすべて正確に評価することは至難の業といえるでしょう。多少の見落としや評価の違いがあっても当局を責めることは酷なことです。そこで、まず自分の所有している土地がどこにあり、どのような利用形態になっていて、その評価がどのようにされているかを正確に把握し、事実誤認があれがその訂正を求めることが必要なのです。


【4】 固定資産税と都市計画税はどう計算する?

 固定資産税が課税される固定資産は、「土地、家屋、償却資産」ですが、本冊子では土地と家屋についてのみ取り上げます。
 さて、固定資産税はその年1月1日現在の固定資産の所有者に対して課税されます。固定資産税の税額は土地も家屋も次の算式で計算されます。

課税標準 × 標準税率(1.4%)

税率
 標準税率は1.4%で、これ以上にしてはいけないという制限税率は最高2.1%でしたが、平成17年からはこの制限がなくなり、各市町村が自由に税率を決めることができるようになりました。なお、都市計画税の標準税率は0.3%です。

ii 課税
標準
 税率を掛ける対象となる評価額のことを課税標準といいます。土地や建物の価格が通常は課税標準になりますが、住宅用地の軽減措置で税負担が大幅に軽減されるような場合には、価額が下がるのではなく課税標準で調整されます。

iii 価格
 土地や家屋の価格は正常な条件の下で取引きされる価格である「適正な時価」で評価されることになっています。この評価は毎年されるのではなく3年に一度されることになっていて平成18年はその評価替えの年になっています。

iv 価格の
評価
 総務省が固定資産評価審議会の答申に基づいて告示する「固定資産評価基準」によって行われます。公示地価の70%を目安に、市街地の宅地については、その地域における標準宅地を選定し、その沿接する主要な街路に路線価が付設されます。この路線価をもとに沿接する各画地についてそれぞれの間口、奥行き、形状等その各画地に影響を及ぼすさまざまな要素を反映させて計算することになります。平成12年度には全国の約434万地点で路線価等が公開されています。

利用形態
ごとに評価
 土地の評価は原則的には筆ごとに行います。ただし、筆ごとに行うのが妥当でない場合、その利用形態ごとに行います。例えば一筆の土地を自己の住宅用とコイン式の青空駐車場に利用していればそれぞれの利用単位ごとに評価します。逆に複数の筆の土地であっても一体で賃貸マンション用地に利用されていれば一つの土地として評価されます。


 都市計画税も同じようにして計算されます。家屋の評価についてはI−8で詳しく述べます。

 

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