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1.税法からみた会社分割の性格 |
会社分割には、新設分割と吸収分割に分類する場合と、分社型分割と分割型分割に分類する場合があり、その組み合せによって、主に四つの類型に分けることができます。商法では、「新設分割・吸収分割」の方法に、税法では「分社型分割・分割型分割」の方法にウエイトが置かれています。 これは、分社型分割によって得られる経済効果が現物出資による場合と非常に類似していること、また、分割型分割によって得られる経済効果が合併による場合と非常に類似していることに起因しています。 例えば、図表1にあるように、現物出資によって子会社を設立する場合と、分社型(新設)分割によって子会社を設立する場合とでは、まったく同じ結果となります。 また、図表2では、現物出資による増資によっても、分社型(吸収)分割による増資によってもまったく同じ結果となります。このように、現物出資と分社型分割は、大変よく似た手法であるといえます。 図表3においては分割型(吸収)分割によって分割法人の営業の全部を分割承継法人に移転し、その後直ちに分割法人が解散・消滅すれば、吸収合併と何ら変わらない結果となります。 このように、分社型分割は現物出資と、分割型分割は合併と類似していることが分かります。税法でも、この点に着目し、会社分割の税制においては、常に会社分割を分社型と分割型に分けて考え、「分社型分割と現物出資」、「分割型分割と合併」といった組み合わせで法律構成されています。 図表1 現物出資(子会社設立)と分割
図表2 現物出資(増資)と分割
図表3 合併と分割
(出所:政府税制調査会 法人課税小委員会 H12.6.2討議資料・法小7−4)
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