IV 社 債
 
 
Q1 社債の発行 IV-Q1
 
Question
 社債を発行することができるのはどんな会社ですか。取締役会設置会社ではない株式会社や特例有限会社も社債を発行することはできますか。

 
Answer

 株式会社、合名会社、合資会社及び合同会社のいずれも社債を発行することができ、取締役会設置会社でない株式会社も特例有限会社も社債を発行することができます。

 現行法上、有限会社は、その非公開的性格から社債の発行が禁じられ、有限会社法第59条第4項、60条第1項但書、63条ノ3第3項、63条ノ7第4項及び64条第1項但書は、そのことを前提とした規定であると解されていました(奥野健一他著『有限会社法釈義』巌松堂 1941年)。しかしながら、有限会社の非公開的性格と社債発行の禁止は論理必然の関係にはないとの指摘が従前よりなされていました。また、合名会社及び合資会社については、社債発行をすることができると一般的に解されていましたが、明文の規定はありませんでした。

 そこで、会社法においては、社債に関する規定を第4編として独立させ、会社、すなわち、株式会社、合資会社、合名会社及び合同会社のいずれもが社債を発行できることを明記しました(会676、会2一)。

 また、現行法においては社債を発行するには取締役会決議を要するとされていましたが(商296)、会社法においては、取締役会決議を要求されていませんので(会676。ただし、取締役会設置会社においては、一定の事項については取締役会決議を要求されています(会362(4)五)、取締役会設置会社ではない株式会社も社債を発行することができます。取締役会設置会社ではない株式会社においては、社債の発行は、定款に別段の定めがない限り、取締役の過半数をもって決定することになります(会348(2))。

 有限会社法の規定による有限会社であって、会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行の際に現に存するものを「特例有限会社」といいますが(整3(2))、特例有限会社は、会社法施行後は株式会社として存続するものとされています(整2(1))。この特例有限会社については、整備法の中で社債に関する会社法第4編の規定の適用を除外してないことから、社債を発行することができるものと解されています。

 これは、上記のとおり、有限会社の非公開性と社債発行の禁止は論理必然の関係にないことが指摘されていたため、特例有限会社も社債を発行することができることにしたのです。



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