少数株主権と単独株主権の種類については、大きな変更はありませんが、行使要件については、次のような見直しがなされています。
1 少数株主権の行使要件を定める基準への株式数基準の導入
現行法は、少数株主権の行使要件を定める基準につき、すべて議決権を基準としていましたが、少数株主権として認められている権利の中には、議決権にかかわらず認められるべきものがあることが指摘されていました。そこで、会社法においては、そういった権利について、議決権基準に加えて、株式数基準の要件が定められました。
具体的には、次の権利については、議決権総数(下掲(4)については、それぞれの解任の決議につき行使することができる議決権総数)に占める議決権数が一定割合以上の株主または一定の割合の株式数を有する株主が権利を行使できるとされました。
(1) 業務財産調査のための検査役選任請求権(会358)
(2) 帳簿閲覧請求権(会433)
(3) 解散請求権(会833)
(4) 取締役等の解任請求権(会854)
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株主総会に関連する権利の行使要件を定める議決権基準への行使可能性の考え方の導入 |
株主総会に関連する少数株主権(株主提案権、総会招集権及び総会検査役選任請求権)及び単独株主権(代理権を証する書面等及び議決権行使書面等の閲覧・謄写の請求権)については、当該株主総会において議決権を有しない株主に認める必要性はないことから、会社法においては、株主が議決権を行使することができる事項に係る権利についてはその行使が明文で保障される一方で、議決権を行使することができない事項に係る権利については行使できないとされました(会297、303、305、306、310(7)、312(5))。
3 定款による行使要件の引下げ
会社法においては取締役会設置会社以外の株式会社は、原則として、少数株主権の要件については現行の株式会社と同様のものとされましたが、定款をもって、少数株主権とされている権利の全部について、その行使要件を引き下げ、または単独株主権とすることができるようになりました(会297(1)、303(2)、305(1)、306(1)、358(1)、433(1)、833(1)、854(1))。
4 定款による保有期間制限の引下げ
現行法において6か月の保有期間制限が課されていた少数株主権について、会社法においては、定款をもって、その保有期間制限を引き下げることができるようになりました(会297(1)、303(2)、305(1)、854(1))。
5 株式譲渡制限会社における保有期間制限の廃止
現行法においては、株式譲渡制限会社にも等しく保有期間制限が課されていましたが、株式譲渡制限会社においては、譲渡承認の手続を経ることによって議決権のみならず、これらの株主権の行使の適否を含めて譲渡承認の検討をすることができますので、会社法においては、株式譲渡制限会社に対する少数株主権に係る6か月の保有期間制限が廃止されました(会297(2)、303(3)、305(2))。 |