現行法の強制転換条項付株式は廃止されたわけではなく、会社法において新たに導入された取得条項付株式(会2十九)に整理されました。
取得条項付株式とは、株式会社が、一定の事由が生ずることを条件として、株主の同意なしに株主の有する株式を取得することができるという内容の株式です。株式会社は、その発行するすべての株式を取得条項付株式にすることができますし(会107(1)三)、また、その発行する株式の一部を異なる種類の株式として取得条項付株式にすることもできます(会108(1)六)。
取得条項付株式の取得の対価は、定款の規定により、当該株式会社の社債、新株予約権、新株予約権付社債その他の財産(会107(2)三)、株式(種類株式発行会社の場合のみ。会108(2)六)と定めることができますが、このうちの取得の対価が、会社の他の種類の株式の場合が、現行法における強制転換条項付株式に該当します。
なお、株式に取得条項が付されていることは定款記載事項ですので(会107(1)三)、株式の内容を変更する定款変更をすれば、普通株式や取得条項の付されていない種類株式にも当該株式の発行後に取得条項を付すことができます。ただ、会社法においては、株主保護の見地から、かかる定款変更決議は、普通株式または当該種類株式の株主全員の同意が必要とされています(会110、111(1))。 |