Q2 最低資本金制度の廃止 II-Q2
 
 会社の設立にあたって最低資本金制度がなくなるなど、設立に関する規制が変更されるということですが、具体的にどのような点が変わるのか教えて下さい。

 

 会社法では、会社の設立の際の出資の最低額(最低資本金)が1,000万円とされていた規制が撤廃され、より容易に株式会社を設立することが可能になります。定款には、「株式会社の設立に際して発行する株式の総数」に代えて、「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」を定めることになります(会27四)。

 また、現行法では純資産額から最低資本金を控除した範囲内であれば純資産額の如何にかかわらず配当できますが(商290(1))、改正法では最低資本金による制限がなくなる代わりに、純資産額が300万円未満の場合には、剰余金があってもこれを株主に分配できないことになります(会458)。

 最低資本金制度が撤廃されることで株式会社の設立が容易になる反面、財務基盤が脆弱な会社が容易に設立できることになるので、今後はそうした会社との取引のリスク評価が一層重要となるでしょう。

 次に、募集設立の場合、「打ち切り発行」が認められるようになります。すなわち、株式引受人が払込みを行わず失権した場合(会63(3))でも、発起人による払込み・給付が全部履行され、「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」(会27四)を上回る出資がなされている場合には、そのまま設立を行うことができます。これは、新株発行におけるのと同様の取扱いを募集設立の場合にも認めるものです。

 次に、現行法では株式会社の発起設立と有限会社の設立の間で取締役の選任手続に相違がありますが(商170一、有11一)、会社法では、発起設立の場合、定款で設立時の取締役等を定めていないときは、発起人による出資の履行後に設立時の取締役等を定めることになります(会38(1))。募集設立の場合は、現行法と変わりありません。

 次に、公告の方法について、会社法では定款の任意的記載事項とされ、定款に定めがなければ官報が公告方法とされます(会939(4))。これは、現行法では株式会社については定款の絶対的記載事項とされているのを改めるものです。
 また、発起設立の場合の払込金保管証明に関する規制も撤廃されます。



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