3 税効果会計に使用する税率(法定実効税率)

Question

税効果会計を適用するときに使用する税率について、法人税率、住民税率、事業税率を単純に合計した税率を使用するのではないと聞きましたが、どういうことか教えてください。


 
Answer

 事業税は、本来の意図が事業を行うことに対する物的課税にあり、したがって課税所得の計算上も損金に算入されるという点から、今まで営業費用項目とされてきました。しかしながら、事業税が一部の業種を除き所得について課されていることは間違いなく、所得を課税標準としている限り、税効果会計を適用する場合には、事業税も対象に含める必要があります。

   平成11年3月31日以降終了する事業年度の個別及び連結財務諸表より、事業税は、法人税等に含めて表示することになりました。

 ところで、事業税は所得を課税標準とする税金ですが、その所得の計算上は、納付時に損金として控除されるため、法人がその所得に対して実際に負担する税率は、事業税が損金に算入される効果だけ表面税率(法人税率、住民税率、事業税率を単純に合計した税率)より低くなります。

 例えば、法人税・住民税率(=法人税率+法人税率×住民税率)を40%、事業税率を10%とした場合、単純合計による税率は50%ですが、実際に負担する税率は、翌期以降事業税を支払った時に損金に算入されますので、例えば5年間では、下記の表のように46.28%となります。


 この事業税の効果は、5年目以降にも影響しますので、最終的には、

法人税+法人税率×住民税+事業税
100+事業税の税率
40%+10%
100+10%
=45.45%

が、税効果を適用する場合の税率になります。改訂日本基準では、この税率のことを法定実効税率と呼んでいます。

   平成10年4月1日以降に開始する事業年度においては、法人税率34.5%です。標準住民税率は17.3%、標準事業税率12%ですが、企業の所在地によって住民税は制限税率20.7%、事業税は、制限税率13.2%の範囲内で異なりますので、各企業によって、税効果を適用する際の税率が異なることに留意してください。ちなみに、標準住民税率、標準事業税率によった場合の法定実効税率は、

34.5%+34.5%×17.3%+12%
100+12%
=46.85%

となります。

 

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