2 退職給付費用
 
Question

損益計算書に計上される退職給付費用はどのように算定するのですか。
計算要素についても簡単に説明してください。
  

 
Answer

ポ イ ン ト
 
退職給付に係る費用は以下の費用及び収益から構成され、下記の算式によって算定されます。
 
退職給付費用=(1)+(2)−(3)+(4)+(5)+(6)
 
(償却費用の内訳)
(4)=過去勤務債務の償却費用
(5)=数理計算上の差異の償却費用
(6)=会計基準変更時差額の償却費用

(1)勤務費用
 勤務費用とは、一期間の労働の対価として発生したと認められる退職給付の額であり、割引計算によって測定されます。
 
(2)利息費用
利息費用は、割引計算により算定された期首時点の退職給付債務について計算される利息相当額で、次の算式によって計算されます。

利用費用
期首退職給付債務
×
割引率

(3)期待運用収益
 期待運用収益は、年金資産の運用から生じると期待される収益で、以下の算式で計算されます。なお、この期待運用収益は、退職給付費用の算定上は控除項目となります。
 
期待運用
収   益
期首年金
資産額
×
期待運用
収益率

(4)過去勤務債務の償却費用
 退職給付の給付水準の改訂等により従前の給付水準に基づく計算との差異として発生する過去勤務債務のうち、費用として処理した額で、次の算式によって計算されます。
 
過去勤務
債務の
償却費用
未認識の過
去勤務債務
の発生額
÷
平均残存勤務期間
以内の一定年数
(未認識過去勤務債務の残高×一定割合*も可)
平均残存勤務期間以内におおむね費用処理される割合

<過去勤務債務発生のイメージ>

(5)数理計算上の差異の償却費用
 これは、年金資産の期待運用収益と実際の運用成果との差異、退職給付債務の数理計算に用いた見積数値と実績値との乖離や見積数値の変更等により発生した差異のうち、損益として処理した額であり、次の算式によって計算されます。
  
数理計算上
の差異の
償却費用
未認識の数
理計算上差
異の発生額
÷
平均残存勤務期間
以内の一定年数
(未認識数理計算上の差異の残高×一定割合*も可)
平均残存勤務期間以内におおむね費用処理される割合

<数理計算上の差異発生のイメージ>

(6)会計基準変更時差額の償却費用
 新たな会計基準の採用により発生する影響額は、従来合理的とされた処理のもとで長期間にわたって累積されたものであり、会社によっては相当多額に上ることが予想されます。これを新しい基準採用時に一時に費用処理することは、企業の経営成績に関する期間比較を損ない、期間損益を歪めるおそれがあるため、継続適用を前提として一定期間にわたって償却できるように経過規定が定められています(一時償却も可)。
 新たな会計基準の採用又は基準の変更により発生する影響額の償却額は次の算式によって計算されます。
  
会計基準変更時
差額の償却費用
会計基準
変更時差額
÷
一定年数*
改訂日本基準は移行年度より15年以内、IASでは即時償却又は条件付きで5年以内の期間で毎期定額を費用認識します。なお、米国基準では原則、従業員の平均残存勤務年数(15年以下ならば15年の償却も可能)での償却となります。

 

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