目次 I-Q10


Q10 類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式


 Question 10

当社の株式は、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式で評価をするとのことですが、単純に平均すればよいのですか。

ポイント 会社区分、総資産価額及び従業員数又は直前期末以前1年間の取引金額に応じて割合が定められています。


 Answer

■併用方式

 取引相場のない株式の評価方法には、類似業種比準方式、純資産価額方式、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式、配当還元方式がありますが、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式とは、類似業種比準方式と純資産価額方式のそれぞれの方式により評価した価額にそれぞれ一定の割合(Lの割合(類似業種比準価額のウエイト)といいます)を加味して評価額を求める方式をいいます。算式は、次のとおりです。

  評価額=類似業種比準価額×L+ 1株当たりの純資産価額 ×(1−L)
(相続税評価額により計算)

 この併用方式を使って評価できる会社は、
 (1) 中会社
 (2) 小会社
 (3) 比準要素数1の会社
ですが、それぞれLの割合が定められています。


■中会社

 評価会社が中会社の場合、Lの割合は(1)総資産価額及び従業員数と(2)直前期末以前1年間の取引金額に応じて、次のように定められており、(1)と(2)の該当する割合のうち大きい方の割合を使います。

 (1) 総資産価額及び従業員数に応ずる割合
卸 売 業 小売・サービス業 卸売業、小売・サービス業以外 Lの割合
14億円以上(従業員数が50人以下の会社を除く) 7億円以上(従業員数が50人以下の会社を除く) 7億円以上(従業員数が50人以下の会社を除く) 0.90
7億円以上(従業員数が30人以下の会社を除く) 4億円以上(従業員数が30人以下の会社を除く) 4億円以上(従業員数が30人以下の会社を除く) 0.75
7,000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く) 4,000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く) 5,000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く) 0.60
 (注1)総資産価額は帳簿価額によって計算した金額によります。
 (注2)複数の区分に該当する場合は、上位の区分によります。

 (2) 直前期末以前1年間の取引金額に応ずる割合
卸 売 業 小売・サービス業 卸売業、小売・サービス業以外 Lの割合
50億円以上80億円未満 12億円以上20億円未満 14億円以上20億円未満 0.90
25億円以上50億円未満 6億円以上12億円未満 7億円以上14億円未満 0.75
2億円以上25億円未満 6,000万円以上6億円未満 8,000万円以上7億円未満 0.60


■小会社

 評価会社が小会社に該当する場合は、Lの割合を0.50として評価額を計算します。


■比準要素数1の会社

 評価会社が比準要素数1の会社に該当する場合は、Lの割合を0.25として評価額を計算します。

 

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